近鉄、現役最後の「字幕回転式発車標」引退へ 「うそ、なくなっちゃうの!?」「まだあったのか!」……そもそも字幕回転式発車標って何?(1/2 ページ)
1976年設置、43年モノだそうです。
近畿日本鉄道(近鉄)は1月6日、河内長野駅で稼働する「近鉄最後の字幕回転式発車標」を廃止し、2020年1月30日に新型機種に刷新すると告知しました。
河内長野駅の行先表示器は「字幕回転式発車標」です。古い鉄道車両に搭載されている「方向幕」と同じ方式で、複数の行き先が印刷されたフィルムを回転して表示する仕組みです。近鉄では河内長野駅の装置が「現役最後」でしたが、残念ながら役目を終えることになりました。
駅の発車標と言えば、LEDパネルによるもの(関連記事)、最近では液晶ディスプレイタイプが主流となっています。2019年現在は大幅に減りましたが「パタパタ」の愛称でおなじみのフラップ式を思い浮かべる人も多いことでしょう。
字幕回転式はフラップ式が普及する前に使われていた装置です。その歴史はとても古く、1930年代の東京駅で既に使用されていた記録が残っています。登場当時のものは布に文字を書き、手動で巻き取る方式でした。その後、行き先を書いたフィルムを電動で巻き取る方式に変わり、1964年開業の東海道新幹線にも採用されました。
しかし、列車本数の増加により停車駅や時刻など案内する情報が増えたこと、表示の変更に早さが求められるようになったことからフラップ式へ切り替わりました。
字幕回転式はもうほどんど現役では活躍していません。さいたま市の鉄道博物館で、古い上野駅を再現したホームや0系新幹線を展示するホームの展示エリアで字幕回転式の発車標を見られます。
字幕回転式発車標の引退の報にファンからは「まだあったのか!」「動くのを楽しみに見ていた」などの懐かしむ声と共に、記念乗車券の発売や特別ポスターの掲示に対して「他では聞いたことがない」「事前に撤去が案内されるケースがものすごく珍しい」と、丁寧に送り出す様子に驚きの声も上がっていました。
河内長野駅では特別ポスターの準備を見た鉄道ファンがその様子をTwitterに投稿していました。文章からは駅員の方に愛されていたことが伝わってきます。大切にしてきた皆さんの思いを尊重しながら優しく見送りたいですね!
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