公正取引委員会が楽天への緊急停止命令を取り下げ 出店者の選択制導入で緊急性が薄れたため
楽天は2月10日に公正取引委員会の立ち入り検査を受けていました。
公正取引委員会は3月10日、楽天に対する緊急停止命令の申立ての取下げを発表しました。楽天は、同社が運営するインターネットショッピングサイト「楽天市場」に出店する全ての店舗で、一定額以上を購入すると送料を無料とする施策を発表後、一部撤回しています。
楽天は、楽天市場の店舗で3980円以上(税込)を購入すると送料を無料とする施策を打ち出し、当初3月18日より全店舗一律での実施を発表していました、しかし、この施策に送料を負担することとなる出店者が反発。2月10日には、公正取引委員会が楽天を立ち入り検査していました。(関連記事)
公正取引委員会は、この施策を「出店事業者が一律に別途送料を収受し得ないこととなる施策の導入が独占禁止法第2条第9項第5号ハ(優越的地位の濫用)に該当」「同法第19条の規定に違反する疑いがある」と指摘。送料無料の施策の実施を一時停止するため、2月28日に緊急停止命令の申立てを東京地方裁判所に対して行っていました。
こうした中、楽天は3月6日に「新型コロナウイルスの感染拡大等の影響」とした上で、同施策の一律実施を撤回。導入は対応が可能になった店舗からとし、対応できない店舗は楽天に申請することで対象外に。導入した店舗の収益が悪化した場合には、支援金を給付するプログラムも実施するとしています。(関連記事)
楽天のこの決定を受けて、公正取引委員会は「出店事業者が参加するか否かを自らの判断で選択できるようになるのであれば、当面は、一時停止を求める緊急性が薄れる」とし、緊急停止命令の申立てを取り下げを決定。なお、「違反被疑行為に対する審査については、継続する」としています。
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