ニュース

しゃべる黒猫の古本屋さんと、ワケあり本を探す女子高生 ちょっと不思議であったかい漫画「古本 宵待書房」(1/2 ページ)

ホロリと来る……。

advertisement

 しゃべる黒猫が経営する古本屋を訪れた、ある本を探している女子高生。漫画「古本 宵待書房」が、心にしみる物語です。作者は創作漫画を描いているしば太(@48ta0605)さん。

 舞台は「クロモノ」と呼ばれる不思議な生き物と、人間が共存する街。その街にある古本屋「宵待書房」に女子高生のハルモが訪れます。店主はなくなった飼い主から店を継いだ、しゃべる黒猫の半月。ハルモが探している本はアングラなエログロ漫画家の絶版本で、なかなか見つからないのだといいます。半月と親しい漫画家の葵によれば、「ワケありのレア本」なのだとか。


街へ来たばかりのハルモはしゃべる黒猫にびっくり

 やがて半月に、探している本は、幼いころに離婚して亡くなった父親の作品だと打ち明けるハルモ。こっそりと古本屋で集めているけれど、最後の一冊だけが見つからずずっと探しています。その一冊はハルモが生まれたあとで出版された本。「お父さんは私が生まれた時どう思ったんだろう」――その本になにか一言でも自分のことが書いてあれば、そんな思いで彼女は探していたのです。

advertisement

ハルモが本を探していた理由は――

 そんな矢先、探していた本を葵が見つけ出してきます。いざ手に取ってみると、もし自分のことが何も書かれていなかったら、と読むのが怖いというハルモ。勇気を出してページを開くとそこには――。

 ハルモが求めていた問いへの「答え」と彼女の名前の由来。そこに込められていた思いに、じんわりと胸が温かくなります。父親がハルモにいつか伝えたいと思っていた「いてくれてありがとう」。ハルモも同じ思いをこの本に抱いたのではないでしょうか。宵待書房にいて、父親の思いを伝えてくれたことにありがと、と。

 「本と人の数だけ無限の組み合わせの出会いと思い出がある」。最後に葵はそう言いました。古本は、書いた人だけでなく「持っていた人」の思いも込められています。そんな本との出会いが詰まった、どことなく緩やかな時の流れを感じる雰囲気の古本屋さんに、面倒見のいい黒猫の店主。本当にあったら訪ねてみたいという気持ちになるお話です。

 このお話はpixivでも公開されており、紙の同人誌としても販売されています。また未公開のお話を一緒に収録した電子書籍もBoothで販売されています。

「古本 宵待書房」1話

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 母犬に捨てられ山から転げ落ちてきた野良子犬、驚異の成長をみせ話題に 保護から6年後の“現在”は……飼い主に話を聞いた
  2. 砂が入り交じった汚い石 → 磨いたら……? “まさかの正体”に仰天! “200万円相当”の成果に「すごい」「私だったら気が狂う」【豪】
  3. 「すごっwww」 愛知県まで乗り換えなしで行ける都道府県を調べてみたら……驚きの結果が1000万表示 「日本の中心は愛知ってコト!?」
  4. 約2センチの「まりも」を本気で育てたら2年後…… 想像をはるかに超えた“衝撃の姿”に「こんなに大きくなるの!?」「成長条件知らなかった」
  5. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  6. 四角いハギレを全部つなげていくと…… プロの大胆リメイクで“便利グッズ”完成!「目からウロコ」「配色かわいい」
  7. “無給餌”で育てたメダカが2年後、驚きの姿に→さらに半年後…… 放置しておいたビオトープで起きた“奇跡”に「ロマンを感じる」
  8. 沖縄の離島で夜の海を歩いたら…… “まさかの生物”に遭遇しまくり大興奮! 「巨大生物祭りですね」「高級食材いっぱい」
  9. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
  10. 寝たい柴犬→お気に入りのクッションに“まさかの”先客が…… 激しい奪還戦に「卑怯なりw」「容赦ないwww」