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「救急医療は崩壊の危機にあります」 日本救急医学会と日本臨床救急医学会が「COVID-19」に関わる現状と課題についての共同声明を発表
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関わる救急医療の現状と課題7点を挙げています。
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日本救急医学会と日本臨床救急医学会が、「新型コロナウイルス感染症に対応する学会員、救急医療関係者の皆様へ」とする共同声明を発表。救急医療が直面している課題を整理して会員と共有するとともに、行政等の関係者に現在の課題を理解してほしいとしています。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関わる救急医療の現状と課題
現状と課題としてあげられているのは次の7点。
- (1)発熱や呼吸器症状のある患者は、一般診療所等での診療を断わられることが多くなったため、救急医療機関とくに初期救急医療施設や ER型救急施設では、COVID-19疑いの外来患者への対応の負担が著しく増加しています。(COVID-19の影響)
- (2)救急隊からの搬送依頼の中で、発熱や呼吸器症状を訴える患者を受入れる病院が少なくなっており、救急搬送困難事例が増加しています。(救急搬送困難)
- (3)その結果、肺炎疑いの患者等は、ほとんどの場合救命救急センターで受入れざるを得ない状況となっており、本来の重症救急患者の受入れができなくなっている事態が生じています。(救急崩壊)
- (4)特に、心筋梗塞、脳卒中、多発外傷などの緊急を要する疾患においては、治療のタイミングを逸することが危惧されます。(救急崩壊)
- (5)その一方で、無症状、あるいは COVID-19ではない疾患や外傷として受入れた救急患者が、後にCOVID-19であったと判明する事例も増えつつあり、迅速検査の必要性が強調されています。(迅速コロナ検査の必要性)
- (6)このような現状のなかで、救急医は外来診療から集中治療室での重症コロナ肺炎治療まで、初期、二次、三次救急のいずれの場面においても最前線に立って COVID-19に立ち向かいつつ、救急医療体制を維持するために日夜奮闘しています。(救急医療体制の維持)
- (7)しかしながら、陰圧室の数は十分でなく、サージカルマスク、N95マスク、ガウンなどの個人防護具は圧倒的に不足しており、救急医療に携わる医療者の安全が確保できないため、COVID-19患者への対応が極めて困難な段階に至っております。これは救急崩壊を加速しかねない重大な懸念事項です。(個人防護具の不足)院内感染が発生すると、多くの医療スタッフが現場から離脱せざるを得なくなります。自らが感染することにならないよう、細心の注意をお願いします。皆様の家族を感染のリスクにさらすことにもつながります。全ての救急患者は、たとえ発熱などの症状が無い場合でも、COVID-19感染者であるとして、対応して下さい。適切な個人防護具を装着し、特に防護具を脱ぐ際のリスクが高いことを念頭において下さい。(安全確保)
こうした状況について、同会は「会員の皆様、救急医療に関わるすべての皆様と連携するとともに地域一丸となって、国民の命を守るために、新型コロナウイルス感染症に立ち向かい、救急医療体制を維持していきたいと思います」とコメント。その一助として「COVID-19関連 最新情報」と題して、公式サイトにお知らせを掲載するほか、学会や行政に対する要望がある際には、学会事務局まで連絡するよう呼びかけています。
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またJAAM日本救急医学会広報委員会SNS部会は、Twitterにてこの共同声明を告知するとともに「救急医療は崩壊の危機にあります」とツイートし、危機感を周知しています。
(Kikka)
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