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「逆にひたすら褒める!」 漫画家・山本さほさんが“ネトゲの中傷メールと戦った話”が痛快

逆に考えるんだ、「おだてあげちゃってもいいさ」と考えるんだ。

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 ネットワーク対戦ゲームのメッセージ機能で中傷してきたプレイヤーに、“ほめ殺し”で対応したら……? 漫画家の山本さほ(@sahoobb)さんによる体験談を描いた漫画が痛快です。丸く収まったような、そうでないような読後感が最高。

山本さんの『週刊ファミ通』連載、『無慈悲な8bit』の1編
ほめ殺し作戦である

 プレイステーション4でネット対戦を楽しんでいる山本さんは、しばしば「ファンメ(ール)」を受け取ります。その語感はファンレターのようで好意的ですが、ネットゲームの世界では俗に「中傷メール」を指す言葉。例えば、対戦相手から「へたくそ」などの罵声が飛んでくるわけです。

 対戦相手からのファンメはたいてい山本さんが圧勝したときに来るので、勝者の余裕もあってか気にならないそうですが、困りものなのが、チームを組んだ人から「足を引っ張るな」などと言われるケース。悲しい気分になるし、怒って受けて立つとケンカになるしで、何もいいことはありません。

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 ある日、山本さんはそのようなファンメで「へたくそ」と罵られました。ハンドルネームの「keita2001」から察するに、相手は2001年生まれの「けいた」君(全て仮名)。そんなけいた君に、山本さんは「ひたすらほめる」作戦で対応することにしました。文字だけだと穏便に済ませようとしているようにも聞こえますが、漫画だとカッと見開いた目が不穏で、何かたくらんでいそう。

 山本さんはまず、「けいた君、どうしてそんなにイラついてるの?」「仲良くしようよ☆」などとフレンドリーに返信。受けたけいた君は「てめーみてーな雑魚と仲良くするメリット皆無だわ」と鼻息の荒い様子。

 ですが、「そうは言いつつも、私みたいな雑魚を相手にしてくれるけいた君、本当は心が優しいんだね」とほめられるなり、「は? 何言ってんの?」と戸惑い始めます。

 あっさりデレてきたけいた君に、山本さんはすかさず「けいた君は本当は優しいし、アイコンのアニメキャラもかっこいい……私なんて勝てるところが1つもないよ」と追い討ち。心の薄汚れた筆者にはイヤミにしか解釈できないのですが、けいた君は素直に受け止めたようで、「まあな……」とまんざらでもない様子です。こいつチョロいぞ。

 山本さんはもうひと押しだと、「さらにゲームもうまいし学校でも女子からからモテモテだろうな~」「こんな完璧な人間と一緒にゲームできたなんて幸せだな~」とヨイショの追撃。けいた君はすっかり上機嫌で、とうとう「オレなんてまだまだだよ。お前もけっこううまかったぜ。ひどいこと言ってごめんな」と謝ってきました。山本さんは「落ちたー!!」と大笑いです。悪い大人だーっ!

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 会話は2人が互いに研鑽を誓って平和的に終わり、争いのない優しい世界が訪れました。なお、けいた君はその後、マナー違反がもとでBAN(ゲームから追放)されたそうです。イイハナシダナー。

 あまりにも衝撃的なオチに、漫画は大好評。「平和的で良い考え方」「恋愛シミュレーションのよう」「自分も丁重な返事をしたら二度と来なくなった」などと、さまざまな感想が寄せられました。そして、けいた君も「簡単に転がされててかわいいな」と一部で人気です。

 山本さんは雑誌「週刊ファミ通」で、ゲームを題材にした漫画『無慈悲な8bit』を連載中。3月に最新第4巻が発売されたばかりです。

作品提供:山本さほ(@sahoobb)さん

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