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突然お笑いコンビ「EXIT」にドハマリしたオタクが、10年以上見ていなかったテレビを見るようになった話

ネオ渋谷系チャラ男漫才師「EXIT」の魅力とは?

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 外出自粛期間が長期化している今、インターネットで映画や漫画などのコンテンツを楽しむ機会が増えています。インターネットを満喫するがゆえに、最近テレビをあまり点けていないという人もいるのではないでしょうか。

 時間があればTwitterに張り付きがちなインターネットを愛するイラストレーターが、長らく触れてこなかった「テレビ番組」への扉を開いてくれたお笑いコンビ「EXIT(イグジット)」の魅力を語ります。

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イラストレーター。身近な景色や動物に少しの不思議を加えて描いてます。代表作にSaraGrace's OneHotNight「Daniel」ジャケットなど。Twitter @UvU_00

2020年に入って初めて知った「EXIT」

 私はここ10年ほど、ほとんどテレビを見ずに生活していました。普段の生活習慣の中でテレビの前に座るタイミングがなかったのもありますが、ワイドショーやバラエティで展開される型にはまった男女像や、他人の失敗を執拗に追いかける風潮があるように感じ、自分の価値観にズレを感じていたからです。そのため、当然ですがテレビで活躍している芸人さんのこともよく知らずにいました。

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 しかしある時、自分がめちゃくちゃ狭い情報の中で生きている……と感じるように。そこで、触れたことのない世界に飛び込もうと、半年ほど前からYouTubeを見ることにしました。そして見つけたのが、今回お話しするEXITです。


りんたろー。(左)と、兼近大樹(右)のお笑いコンビ、EXIT

 ピンクの髪や柄シャツの派手な風貌と、「PON! PON!」などのチャラいフレーズでおなじみのEXIT。ネオ渋谷系チャラ男漫才師として活躍中の彼らは、今やメディアで見ない日がないほどの売れっ子です。

 私がEXITに出会ったきっかけは、有名YouTuberのえみりんとてんちむのコラボ動画に彼らが出演していたことでした。ぱっと見、チャラいキャラでキャッキャしている若手の芸人さんというイメージの彼ら。しかし、動画を見ていくうちに、りんたろー。自らの「オレ34っすよ」という発言や、兼近の読書という意外な趣味を知ることに。私は「この人たちは本当にチャラ男なのか? 無理してるのでは?」という疑問を感じ、彼らの内面とキャラクターのギャップに興味を持つことになります。

 そこからはEXIT関連の動画をあさりまくり、彼らのドラマチックなエピソードや、個人のバックボーンまで、情報をとにかくたくさん集めました。特にコンビ結成から今までは、たった2年の歴史なのに、めちゃくちゃストーリーがあってまるで小説みたい……と驚きを感じました。

 こうして彼らの情報を集めていく中で、そもそもお笑いの世界にはこうした小説のようなエピソードが転がっていることを知ります。今まで何で知らなかったんだろう? こんなん沼だらけでは……?

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 こうして、気づいた時にはEXITにめちゃくちゃハマっていました。いや~気持ちよかったな~、ハマるまで……。エピソードを知るうちにどんどん好きになっていく感覚がとても楽しかったです。

自分たちのやりたいことを楽しんでいるEXIT

 EXITの漫才はキツいフレーズやツッコミが少なく、彼らなりの価値観をもって活動してることが分かります。

 また、私が当初「無理してるのでは?」と思っていたチャラいキャラクターについても、いろいろなメディアの彼らを見ていくうちに、自ら派手なキャラを楽しんでいるということが分かってきました。

 キラキラしてかわいく見える兼近は虫をバリバリ食べられるくらい肝が座っていて大胆。チャラいキャラクターを生かして、竹を割るように気持ちよく自分の思ったことを口にします。

 一見ワイルドなりんたろー。は、ネイルや美容が大好きで、派手なファッションを楽しむなど案外かわいらしいところがあります。

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 それぞれ、見た目とのギャップがありつつも、本来の良さを殺すことなく、テレビなどのメディアでも自分の素を出して輝いているところを見ると、自然と元気がわいてきます。

 テレビをはじめ、YouTubeやSNSなど、家にいながらさまざまなコンテンツを見られる今、私がまだ体験できていないのが漫才ライブをするEXITです。DVD(なんと1000円。マジでいいんですか?)や公式YouTubeでライブの様子は見られるのですが、やっぱり生で見たい……! でも、体験する機会は少し先になりそうです。

 EXITのライブでは、受付をクラブの入り口っぽくしたり、銀テープを発射したりと、音楽ライブのような演出が多用されています。もともと、音楽が好きでライブにもよく足を運んでいたので、こうしたところにも親近感を覚えワクワクしました。

 また、漫才というと、真ん中にマイクがあり、その前に立って喋るものだとばかり思っていたので、こうした形もアリなんだと驚きました。こうした自由さが、私のお笑いのイメージを壊してくれたのだと思います。

EXITにはまって気づいたテレビの面白さ

 YouTubeの動画をだいたい見終わり、かわいいなぁ、もっと見たいなぁと思ったとき、ふと気づいたんです。彼らの主戦場はやっぱりテレビだということに。そこで初めて、あんまり気が進まないけどテレビを見てみよう、と思うようになりました。

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 ただ、あまりに長くテレビを見ていなかったので、最初はバラエティ番組のにぎやかなセットを見るだけでも疲労が。また、自分が好きだと思えない一面を見てしまったらガッカリするかも……という心配もありました。ひな壇でちょっとしか映らないなら、YouTubeを見ていた方が長い時間見ていられるし……と思っていたこともあります。

 しかし、ご本人のSNSでの番宣を見続けた結果、いつしか自らテレビを見るように。芸人さん、皆さんの小まめな告知はしっかり効果が出ていますよ……!

 EXITを追いかけてテレビを見るようになって気づいたのは、自分が今までテレビに感じていた違和感や価値観のズレが思ったよりも少ないこと。

 次第に、人がたくさんいるだけに見えていたバラエティ番組のひな壇の面白さも分かってきました。番組全体が楽しそうだと、同じひな壇にいる他の芸人さんもどんどん気になってくるんですね。お笑いって本当に危険な沼だ……。

 後から知ったのですが、EXITは誰かが傷ついたり、何かを強制するような番組の出演は控えているんだそうです。彼らのこうした意識もあり、自分が今までテレビ全体に偏ったイメージを持っていたことにも気づきました。以前から、こうした面白い番組はあったのに、最初から見ないようにしていたんですね。

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 EXITの努力や戦略の結果、ファンがストレスなく追いかけられるのも、彼らにどんどんハマっていった理由の1つだと思います。

さまざま場所で見られる彼らの魅力は「価値観」

 ちょうど外出自粛生活が始まった頃からEXITにハマりはじめた私。毎日飽きない……というか、とにかくメディア出演が多い! 自分がロックバンドのファンだったせいか、テレビに出演する機会が多い人を追いかけるのって、毎日こんなにめまぐるしくてワクワクするんだとびっくりしています。

 芸人さんもそうですが、ジャニオタさんとか、この推しの怒涛(どとう)の供給の中、どんな生活をしているんでしょう……? すごい、想像するだけでもすごいと思います。

 この外出自粛期間、私はEXITによって短期間で自分の生活の「彩り」が変わったことを強く感じながら過ごしています。だって、毎日テレビ見てますから。つけることすらなかったのに。

 私は今まで、テレビは「作られた舞台」だというイメージをなんとなく持っていて、そこに真実はないと思っていました。しかし、いろいろなメディアに出ている2人を見ると、テレビもまた数あるメディアの1つであり、そこから見える生の人間性があるんだと気づきました。

 テレビを含め、SNSやYouTube、雑誌など、さまざまな場所で活躍するEXIT。1つのメディアだけでなく、いろいろな角度から2人を見られるのが、今の時代の面白いところなのだと感じます。そうして知ることのできた、EXITのやさしくて賢い「価値観」が、今の私に元気をくれています。

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