「オタク」とバカにされた男子を救ったのは…… 定時制高校での出会いと切ない思いを描いた漫画に感動の声(1/2 ページ)
心に深くしみ入るリアルな空気感と物語。【記事の最後で作品の1話分を掲載】
定時制高校に通う男子に気が合う友達ができる漫画が「すごく良い話だった」「最後切ない」「懐かしい当時を思い出す」と話題になっています。いろんな人がいて、いろんな思いを抱えている……。
服装が自由ということで、推しキャラクターのTシャツを着ていったメガネの男子・田島君は、4人の男子グループに「おいオタク」「そんなTシャツ着て恥ずかしくないのかよ」「イキるな!」と絡まれてしまいます。見かねた赤山さんが「先生が呼んでたよ」と助け舟を出し、話を聞くことに。田島君は好きなものをばかにされ悔しい思いをしていましたが、「でも着なかったらアイツらに負けた気がして嫌でさ」と悩んでいたのでした。
するとその日行われた席替えで、例の怖いグループの中にいたコワモテな男子の隣になってしまいます。パシられたりすることを想像し、ビクビクする田島君。さらに彼に「なあ、あのさあ」と話しかけられ……?
しかし、後日赤山さんが目撃したのは田島君があのコワモテな男子と仲良く一緒に登校している姿。実は怖そうに見えていた彼・山口君は、田島君と同じくアイドルゲームが好きで、Tシャツのキャラクターも知っていて話しかけたのでした。
それからすぐに2人は意気投合。「なんか色々とごめんな」「何言ってるんだよ。山口君は僕のことばかにしなかったじゃん」と仲良く話すまでに。ここまでは「人は見かけによらないなあ」という話ですが……。
そしてある日、「ユウキ(※山口君)のヤツ最近付き合い悪いな」とぼやく例のグループは、教室で楽しそうに田島君とゲームで遊ぶ山口君の姿を目撃します。仲間の1人が「オタクとダチになったなんてマジありえねえよ」と嘆く中、山口君と昔からの付き合いがある1人は「まあ、もういいじゃん」と話し、心の中で「オレたちと一緒に居た時は一度もあんな顔しなかったのに…」「よかったな本当のダチができて」と思い、静かに涙を流すのでした。自分がなれなかった、“気が合う友達”を見つけた友達を祝福する言葉が切なくも温かい……。
作者は、以前にホラー漫画『震えてる??』などが話題を呼んだ(関連記事)漫画家の浦部はいむ(@urabehaimu)さん。今回の作品は、定時制高校を舞台にした漫画『高校生を、もう一度』の第2話目にあたるもので、今ならWebメディア「マトグロッソ」の連載ページにて全話読むことができます。Twitterでは「一気に全話読んじゃいました」「この作品に出会えて良かった」「何度読んでも泣けます」の声が寄せられ、また同様の高校生活を送った人から「あの空気感をリアルに思い出す」といった声も上がっています。
ちなみに主人公は、あることがきっかけで一度学校に行けなくなり辞めた過去を持つ赤山さん。他にもさまざまな問題を抱えた人物たちが登場し、各話毎にそれぞれの再チャレンジを描いています。単行本化も決定しており、2020年10月発売予定。こちらは新規描き下ろしも収録されます。
『高校生を、もう一度』第2話(著・浦部はいむさん)
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