霊能力者「確かに憑いているが、俺にそれは祓えない」　何かに憑かれた人の漫画が大変そうだけどうらやましい？

　何かに呪われる、何かに取り憑かれる、と言えば、ホラー作品によくある導入部分でしょう。それがなんなのかを追求し、追い払う方法や生き残る術を見つけ出す……これだけでも、いくつかの作品が思い浮かぶはず。今回ご紹介する作品は、奇妙なモノに憑かれてしまった男性と、それが見える主人公のお話です。

　作者は漫画家のくりきまる（@kurikimaru）さん。エンタメポータルサイト「アルファポリス」で、バトルファンタジー漫画『黒い薬師と白き竜姫』を連載中です。

　強い霊能力を持つ加藤くんは、大学のオカルト研究会に入っています。いわく「自分の霊能力は知られたもので、しばしば心霊関係の相談を持ちかけられる」とのこと。

　ある日、加藤くんのもとに知り合いの岩崎くんがやってきます。身の回りでおかしな現象が起きている、という岩崎くんには、確かに何かが「憑いていた」のですが……それはかなり「べったり」していたのです。猫耳のかわいらしい女の子がべったりと……。

　その正体は分からず、見た目から「おそらく、化け猫の霊？」としか言いようがありません。お風呂で背後に気配を感じる、寝ているといい匂いがする、朝起きたら一人暮らしなのに朝ごはんが用意されていた……身に起きた怪異をさまざまに語る岩崎くん、彼の身体に抱きついたまま離れようともしない化け猫、そして唯一その様子が見えている加藤くん。

　岩崎くんの話と、その後ろでコロコロと豊かに表情を変える化け猫……それらを見聞きした加藤くんは、どうしたものかという困り顔で「俺にそいつは祓えない」と告げるのでした。

　そして「あの加藤くんでも祓えないものに取り憑かれている」という、盛大な勘違いを抱えたままになった岩崎くんでしたが……後日談においても、化け猫が相当になついている様子が描かれています。

　この日は悪霊に話の腰を折られ、祓えない理由を説明できずじまいでしたが……岩崎くんが化け猫の好意を知る日は来るのでしょうか？　続きが気になるところです。

作品提供：くりきまる（@kurikimaru）さん

たけしな竜美（@t23_tksn）