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国税職員ってどんな人? 税理士とは違うの? 国民の三大義務「納税」にまつわるお仕事の話

税金って身近なはずなのによく知らない。

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 元国税局職員、さんきゅう倉田です。大学を卒業して、公務員試験を受けて、東京国税局に採用されて、退職して、芸人になりました。好きな言葉は「増税」、趣味は「記帳」、無人島に一つ持っていくとしたら「領収証」です。


筆者・さんきゅう倉田。東京国税局を退職し、現在は芸人

 ぼくの子供の頃は、家族内でのお金の話というのは禁忌で、もちろん学校でも教えられることはなく、友達同士で話すこともなく、何も知らないまま社会に出てしまいました。

 ぼくだけでなく、友人たちも同じような環境だったのではないでしょうか。だから、簡単に詐欺にあったり、源泉徴収に困惑したり、年末調整と確定申告を混同したりと知識が不足しているために不自由をすることになります。

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 子供の頃から、マネーのまなび“まねび”があったらいいなと常々思っています。この連載は、みなさんが社会人として知るべきお金の知識を得られるような内容にして、願わくは、みなさんの次の世代にその知識が承継されたら嬉しく思います。

 今回は、ぼくの元職場、「税金」を司る国税庁の地方支分部局・国税局の仕事を紹介します。

国税局とは?


国民の三大義務「納税」にまつわるお仕事

 国税局と聞いても、ほとんどの人がピンと来ないと思います。平たく言うと、国の税金を扱う組織です。みなさんの周りの国税に関する業務は、ほとんど国税局か管轄の税務署が行っています。国税ではない地方税の業務は、地方自治体が担っています。

 あまり身近な組織ではないので芸人の同期からは「税務局」とか「税理士」と言われることがあります。税務局はなんとなくわかりますが、税理士は全然違いますね。

 税理士は、依頼者の税務相談に答えたり確定申告を行ったりする民間の人で、資格が必要です。一方、国税局は国家公務員です。双方の保有する知識には共通の部分が多々ありますが、異なる職業です。

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 ぼくは「元国税局」なので、上記のどちらでもないただ税金が好きな民間のおじさんといえます。

国税局の仕事


国税庁の建物

 国税局の仕事は「税金の賦課と徴収」です。賦課は、税金をかけること。個人事業者や社長が怯える税務調査は、賦課にあたります。徴収は、税金を集めること。一度に税金を支払えない人の相談に乗ることもありますし、税金を滞納している人のところに行って財産を差し押さえることもあります。

 ぼくの在職中の業務は、法人に関する内部事務や税務調査でした。内部事務では、納税者から送られてきた書類の処理や納税者からの相談への回答に従事し、税務調査では法人に行って帳簿を見て誤りや不正を探します。

 大人になると、急に「法人」という言葉が出てきますね。「会社」とほとんど同じ意味です。法律によって権利や義務の主体とされた存在です。こちらを読んでいるみなさんと同じように、法人にも権利や義務が与えられています。

 いわゆる「マルサ」は、国税局査察部のことで、金額が大きい、かつ、悪質な事案の税務調査を、検察への告発を目的として行っています。マルサに調査をされて、不正が認定されれば、脱税を行ったとして氏名などが報道され、裁判になって有罪判決がでることがほとんどです。もちろん、脱税は犯罪です。

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 これだけでなく、国税局の仕事は多岐に渡ります。「ねとらぼおかね」では、みなさんの身近なところから、税金やお金に関する話を少しずつ紐解いていきたいと思います。

さんきゅう倉田(35)

大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち同退職、芸人となる。芸人活動の傍ら、執筆や講演で生計を立てる。好きな言葉『増税』。

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