ニュース

世界最高齢で死んだハシビロコウ「ビルじいさん」 実はメスだった

“ビルばあさん”でした。

advertisement

 静岡県の伊豆シャボテン動物公園で“ビルじいさん”や“長老”という愛称で39年間愛され続け、2020年8月6日に死んだハシビロコウ「ビル」が実はメスだったことが判明しました。

 ビルは推定年齢50歳以上(人間の年齢に換算すると100歳以上と考えられる)、世界最高齢として知られていたハシビロコウです。

右向きのビル
”動かない鳥”として有名なハシビロコウ

 1971年にスーダンのハルツーム動物園から来日したビルは、1981年に一般財団法人・進化生物学研究所からメスのハシビロコウ「シュー」とともに伊豆シャボテン動物公園にやってきました。つがいのシューには先立たれてしまいましたが、その後園内の「バードパラダイス」で他の鳥たちとのんびりと暮らしてきました。

advertisement
バードパラダイスのビル
バードパラダイスで過ごすビル

 実はハシビロコウはオスの方がメスよりも少し体が大きいだけで、性別による外見上の差がほぼありません。そのため性別を明らかにするためには、遺伝子検査を行う必要があります。しかし遺伝子検査に必要な血液や組織を採取するためにはビルを捕獲し、保定しなければなりません。

 しかし捕獲や保定をするとビルに負担がかかるうえ、長い時間をかけて築いてきた人間との信頼関係が崩れてしまうかもしれません。そのため捕獲は行われず、死後に行われた解剖の結果でビルの性別がメスだったことが確定したのです。

植物とビル
素敵な表情です

 なおハシビロコウの寿命は正確に解明されていませんが、コウノトリ科の鳥の平均的な寿命から考えると35年ほどだと推定されています。このことから考えるとビルはまさに長寿で、大往生だったといえます。

ビルの縦写真
威厳にあふれた姿です
ビル顔アップ
心の底まで見透かされそうな表情です

 職員たちよりもずーっと昔から園の様子を見守り、今まで関わった職員やお客さんみんなに愛されたビル。お客さんにも同居していた鳥たちにも寛容で、人間からも鳥たちからも一目置かれていました。

 威厳あふれる存在がいなくなってしまったバードパラダイスを見渡すと、寂しさを覚える方も多いことでしょう。もうビルに会えないのは寂しいことですが、長年に渡ってお客さんや職員さんを見守り続けてくれた長老が安らかに、静かに眠れるように願いたいものです。

advertisement

ビルの歴史、長きにわたって多くの人に愛されてきました

献花台にはたくさんの花が供えられました。ビル、今までありがとう!

三日月 影狼

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  2. 愛犬とのお散歩中、腹痛で急いで帰宅した飼い主→放置したワンコをみると…… けなげ過ぎる“まさかの待ち姿”にキュンとする
  3. かぎ針編みしたコースターに、飲み物を乗せた瞬間……! アッと声がでる光景へ「かわいいぃぃ」「作り方教えて!」【海外】
  4. 「つばくろうがいなくなったら……」 つば九郎を支えたスタッフ逝去 “1年前”のブログ投稿に「泣けてきた」
  5. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  6. ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
  7. 古いタオルを切り出すと……? “全く別の日用品”に生まれ変わる技に「素晴らしいアイデア」「最高!」と340万再生
  8. 大阪・梅田のど真ん中で派手にスカート裂けた → 笑うしかない大失態に「ちょ待てよ」「こうなった時の気持ち考えて」
  9. すっぴんボサボサのママがメイクをしたら…… 目を疑う“衝撃の変身”が250万再生「飲み物吹いたw」「同一人物と思えない」【海外】
  10. ホームセンターで買った“最強の掃除屋”を水槽に入れたら…… 驚きの変化に「便利」「試してみます」の声