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お前のマリオ力(ぢから)はそんなものか? 「スーパーマリオ35」で“マリオ戦国時代”を生き残れ(1/2 ページ)

PCゲームや海外ゲームをこよなく愛するライター、文章書く彦による「マリオ35」のプレイレポート。

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 いっぱしのゲーマーであれば誰もがプレイしたことがあるであろう「スーパーマリオブラザーズ」。発売から長年経過した今なおタイムレスな面白さを誇り、また、移植機会にも数多く恵まれているために、世代を問わずプレイ経験者の人数は膨大です。そのため、マリオがうまいと自称する人は後を絶ちません。隣の家のお兄ちゃん、サッカー部のあいつ、ちょっと怖いあの先輩……。多くの人間が「オレ、マリオうまいけどね」と言ってはばからず、ちょっとでかいツラをして今まで生きてきました。

 実際、ゲーマーは皆心の中で大した根拠のないままに「自分は他人よりマリオがうまい」と思っています。「マリオがうまい」という概念は完全にジェネリック化し、自称することがたやすい肩書になってしまっていたのです。しかし、この10月1日に登場したスーパーマリオブラザーズ35 (以下マリオ35)」によって、有象無象の自称「マリオうま手」たちが白黒はっきりさせる時がようやくやってきました。これは、大げさではなくマリオ戦国時代の幕開けといえるでしょう。と、いうことで早速筆者(「RTA走者とかいうレベルでは全然ないけどでもそこそこマリオはやってきているしうまいはず」と内心で思っていた)も、己の「マリオのうまさ」を証明するために遊んできましたので、今回はそのプレイレポートをお届け致します!

ライター:文章書く彦

主にPCゲームや海外ゲームが好きな陽気で楽しいゲームライター。どこかで美少女ゲームの連載を行ったり「ゲーム占い師」として活躍中。ライター業の傍らインターネットの片隅で「ワニウエイブ」としてラッパー/作曲家としての活動も行っている。ここ一年ぐらいはVTuberに激ハマりし1日に10時間ぐらい「にじさんじ」の配信やアーカイブを見るなどしているよ。 Twitter:@waniwave

 まずゲームの概要をざっと説明します。2021年はファミコン版「スーパーマリオブラザーズ」発売35周年ということもあって、マリオ関係のグッズが多数発売されたり、さまざまイベントなどが催されているのですが、本作もそういったアニバーサリーイヤーに合わせた「催し物」的な側面のあるゲームです。そのため、本作の配信は2021年3月31日までの期間限定となっており、プレイしたいのであればある程度急ぐ必要があります。

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 本作は「スーパーマリオブラザーズ」を題材にした(今風に言えば)「バトロワ系」のゲームです。基本的なルールは「35人の中で最後まで生き抜いたプレイヤーが勝ち」という非常に分かりやすいもの。要は「死なない」ことが最も重要なので、最高の効率でなるべく早くステージをクリアするというようなRTA的なプレイングは(それができればもちろん有利なのでしょうが)現状あまり必要とされていません。

 大まかなゲームの仕組みは先行する任天堂のバトロワ系ゲームである「テトリス99」を踏襲しています。誰かに妨害として敵を送り付けることができるというシステムの他、作戦を右スティックで切り替えながら戦うというあたりや、画面の構成などかなりの共通点があるため、「TETRIS 99」をプレイしたことがある方ならすんなり遊べるかと思います。

 本作最大のキモは「残り時間」で、ゲーム開始時点では35秒しか持ち時間がないため、普通にプレイしていたらすぐに死んでしまいます。そのためステージをクリアしたり、キノコ/ファイアフラワーといったアイテムを重ね取りしたり、敵を倒したりすることで自分の残り時間を常に増加させながら戦うことが必要になります。また、ステージ上に散らばるコインを集めることでランダムなお助けアイテムを購入することが可能になるという要素も重要です。特にキノコやファイアフラワーといったパワーアップアイテムはかなり有用なため、ときにはクリアより優先してコインを集めるという判断が必要になる場面もあります。

 「マリオでバトロワ系ゲーム」というと一発ネタ的な印象を持たれる方も多いでしょうし、筆者も実際プレイするまではそう思っていました。しかし本作はかなり考え抜かれたルールに仕上がっており、非常によくできています。

 例えば天井の上を通行できるあまりに有名なステージショートカットでさえも「敵を倒すと残り時間を増やせる」というシステムのため、例えば「天井に上がって敵をスルーする」のか、「あえて下の道を行き敵をせん滅するのか」という選択の余地が生まれます。他プレイヤーのヘイトをとってしまい、大量に敵を送り込まれたとしても、それらを一気に倒すことができれば残り時間を爆発的に増やすことができます。コインを取るのか、敵を倒すのか、急いでクリアするのか、とどまるのか、などアドリブでの状況判断が極めて楽しく中毒的で、筆者も思いかげず熱中して気付けば長時間遊んでしまいました。

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 もちろん古典的なステージ把握も非常に重要です。例えば1UPキノコを取得するとコインが増加するので隠しブロックを覚えているとそれだけゲームを有利に進行することができます。スターやパワーアップアイテムの位置を覚えておくと生存率の上昇につながりますから、安定して高順位を取るためには予習は絶対に必要でしょう。そのためかサービス初日は「スーパーマリオブラザーズ」をやり込んだ経験のある中年ゲーマーが非常に有利でした。昨今のスピードの早いバトロワ系ゲームの流行についていけなかったおじさん/おばさんゲーマーたちであってもワンチャンあるのは本作の美点でしょう。

 とはいえ初心者に厳しいかといえばそんなこともなく、現状のプレイヤー練度なら1-1や1-2のブロックだけをある程度覚えるだけでもなんか勝てちゃったりもします。一度プレイしたステージを再送できる「コースれんしゅう」モードも搭載されているため(最初から全ステージ練習できろや! とは思いますが)ブロック位置などをちょっと予習するだけで劇的に勝ちやすくなります。またゲームをプレイすることでたまっていくコインを消費することで開始時からファイア状態やデカマリオ状態で遊べるという要素もあるので、勝利のためには惜しみなく使っていきましょう。

 さまざまな知略を尽くし、適切な状況判断をして勝ち取る勝利の味は格別です。数時間遊んで筆者はまだ2勝しかできていませんし、ゲーム理解もまだまだですが、自分の「マリオ力(ぢから)」を知るよい機会になりました。もし、他人に「自分はマリオがうまい」と言ったことがあったり、日々「自分はマリオがうまいのではなかろうか」と思いながら生活をしているゲーマー読者の方がいるなら、本作のプレイは義務と言ってもいいレベルです。もし本当にマリオがうまいなら、1位を取りまくって他人に力を証明できますし、実際はマリオがそんなにうまくないなら、鼻っ柱を折られることで謙虚な気持ちになることができます。

 説明を読んでも分かるでしょうが、実際は本作独自の要素を理解することもかなり重要で、それってほんとに「純粋なマリオのうまさ」なのかな? と思う気持ちもなきにしもあらずなのですが……任天堂がこれを「マリオ35」と言って出してるんだから、これが一番うまいやつが一番マリオがうまいんです!

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