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「積み上げてきたことが武器になる」 半年でクロッキー帳10冊を使い切り、絵が化けた人に上達の“秘訣”を聞いた

継続は力なり。

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 「春から描き始めてクロッキー帳10冊(1000枚)使い終わりました。半年で上達した自分を褒めたいです」と、ビフォーアフターの作品を公開するTwitterの投稿に注目が集まっています。劇的に絵がうまくなっている!

 作品を投稿したのは、ひゅうが くるみ(@Kyoto_Eupho)さん。半年間絵を描き続ける、ましてやクロッキー帳10冊を使い切るのは、並大抵の努力だけでは成し遂げられません。作品に込められた熱意を感じます。

描き始めのころの絵
アニメーターさんが描いた絵を細部まで模写しています
模写によるインプットも練習の1つ

 ツイートは4万いいねを超え、「すごすぎる」「見習いたい」「継続は力なり」と驚嘆の声がたくさん寄せられています。反響を受けて、アニメーター志望のひゅうがさんに、絵の上達方法や1日の練習量についてなどお話を伺いました。

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── 絵の練習はどんな方法を実践していたのでしょうか。試してみて効果があったものはありましたか。

ひゅうがさん:クロッキー、模写を主にやっていました。まず、大前提として考えながら描く・意識しながら描く。これができないと練習効果が半減してしまいます。クロッキーは線や流れを意識。模写はその人の線を分析しながら試行錯誤して描きました。

クロッキーには4m(4分)、3m(3分)とかけた時間を記録しています

 クロッキーは10、8、5、3、2、1分、30秒と区切って練習しています。自分のクロッキー帳に描かれてる絵は基本10分以内に描いた物がほとんどです。「アニメーターには手の速さも大事。それ以上の時間はかけない」と決まりを作ってやっていました。

右上に「線汚い」「硬い」のメモ

 そして、1枚描くごとに、「この絵のここが良かったここがうまくいかなかった」などちょっとしたメモを絵の隣に書きます。そこでダメだったところを次できるように描く。これの繰り返しだった気がします。また、上達するにつれ大きな課題は意識を忘れないよう紙に描いて机の前に貼ってました。ブツブツ呟きながら描くときもありましたね。

 効果的だったのは、うまい人の絵の分析。魅力的な線を引く人のモノマネが自分の絵をより魅力的な作品にしてくれるのではないかなと思います。加えて、アニメーターの室井康夫(@animesijyuku)さん、イラストレーターのさいとうなおき(@_NaokiSaito)さんの本や動画を見て練習法を取り入れていました。筋肉構造などの理論も少し学ぶと絵に説得力ができます。

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「アニメ私塾」を開設し塾生の指導に当たっている室井さんからのコメントも

── クロッキーや模写は何を見て描いていましたか。

ひゅうがさん:クロッキーは基本、アプリの「Pinterest」にある写真からやってました。模写対象は自分の好きなイラストレーターさんのpixivから、アニメーターさんの画集やTwitter、好きな漫画までさまざまです。

 ほかには、街ゆく人の服のシワや体の見え方を観察しながら歩いてました(クロッキーもしてました)。実際の人と写真では違うのでたくさんの発見があります。

── 絵がうまくなったと実感したのはいつ頃でしょうか。また、1日の練習量はどのくらいですか。

ひゅうがさん:絵がうまくなったと実感したのは、描き始めて1週間ぐらいですかね。成長の連続で、数日ごとに数日前の自分よりうまくなったなとずっと実感してました。もう少し大きな区切りでは、クロッキー帳1冊を使い終わって前のクロッキー帳を見返したときです。「おお! 俺この100枚でうまくなったなぁ!」「この数週間で伸びたなぁ!」と思いました。

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4月ごろに描いていた絵
10月13日に投稿したスケッチ

 1日の練習量は日によってムラがありますが、平均は1日5枚。もちろん30秒クロッキーなどで5枚分が埋まる日もあるので時間はわからないです。

── スランプのようなときはありましたか。

ひゅうがさん:スランプになったことは1度だけあります。自分はアニメーターになりたい熱量だけで描いていたのですが、ある人に「君の絵からは熱量を感じない」と言われたのがショックすぎてしばらく描けなかったです。1週間ほど描くペースが1日1枚とか、ひどいときは描かない程に落ちてしまいました。

 友人から「大丈夫」といった励ましの言葉を受けても自分には響きませんでしたが、数日後にYOASOBIの「群青」という曲が公開されて、その曲を聴き自分を奮い立たせました。うまく描けなくても描くしかない。描くことしかできないので、学校を2日ほど休んで描きまくりました。

“好きなことを続けること それは「楽しい」だけじゃない” “積み上げてきたことが武器になる”

 外に出て一人で散歩をしながら色んな場所で描いて描いて描きまくった結果、スランプを脱出して以前より伸びることができました。新しいものに触れられたのが良かったのかもしれないです。走り続けてたところを一度止まってみたのがスランプ脱出につながったのかな。

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 ひゅうがさんが積み上げてきたクロッキー帳10冊には、費やした時間と努力、試行錯誤が詰まっています。必ずしも絵が順調に上達したわけではなかった半年間。壁にぶつかっても諦めず描き続けた結果が、今につながっているんですね。

※画像提供:ひゅうが くるみ(@Kyoto_Eupho)さん



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