コロナ禍でピンチに陥ったゲームセンターは今 クレーンゲーム464台誇るゲームセンター「エブリデイ」を取材(1/2 ページ)
【動画】初心者でもクレーンゲームで景品は取れるのか? やってみました。
「休業明けの来客者数は70%減」――。未曾有のコロナ禍でピンチに陥ったゲームセンターは今、どうしているのか。クレーンゲーム464台を誇る大型ゲームセンター「エブリデイとってき屋 東京本店」を取材しました。
驚異のクレーンゲーム台数を誇るゲームセンター「エブリデイ」とは
「エブリデイ」は埼玉県内に2店舗を構える大型ゲームセンター。クレーンゲームに特化しており、スクイーズやぬいぐるみなどはもちろんのこと、宝石をクレーンの爪で釣り上げる宝石キャッチャーや、生野菜をGETできるおやさいキャッチャーといったユニークな設定のゲームも楽しめるのが特徴です。
2012年には行田店が「単一会場におけるクレーンゲーム機の最多設置数」が世界一だとギネス世界記録から認定され、2019年には、2店舗目となる「エブリデイとってき屋東京本店」を八潮市にオープン。近年は白石麻衣さんやHIKAKINさんなどの人気YouTuberもよく訪れていることから、外国からの来場客も増えていました。
そんな中突如見舞われた「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)」の影響による営業自粛要請とライバル店のギネス世界記録更新。創業以来最大のピンチを迎えたゲームセンターはどのようにしてコロナ禍を乗り越えようとしているのか、現地を取材しました。
新入社員が働き始めて1日で休業要請、エブリデイとってき屋に訪れた試練
取材に応じたのは、エブリデイを運営する東洋の広報統括責任者、緑川裕一さん。SNSやYouTubeなどを使った広報を担当しています。
――早速ですが、緊急事態宣言発出後のお店の状況について教えてください。
緑川:緊急事態宣言発出を受けて、すぐに行田店・東京店の両店舗の休業を決定し、翌日(4月8日)から5月29日まで休業を行いました。
――休業期間中、従業員さんはどうしていらっしゃたのでしょうか。
緑川:休業要請が出されたのはちょうど、合宿研修を終えた新入社員20人がお店での勤務を始めて1日目のことでした。
本当にこれからというときでショックもありましたが、弊社の企業理念は「笑顔創造」です。社長より「これからどうやって日本中を笑顔にしていくかを考えなくてはならない」「創業34年の経験をもとにスタッフとともに笑顔で乗り越えていきたい」という話があり、まずはスタッフ全員が元気でいなくてはならないと再確認しました。
そして休業中でもできることとして、「マスク着用状態でも笑顔がお客様に伝わる接客」の練習、お客様役とスタッフ役に分かれて、新型コロナ対策を徹底したロールプレイ接客の練習などを続けてきました。
――5月30日の営業再開以降はどのような形で新型コロナ感染症対策に取り組んでいますか。
緑川:ご来店いただけるお客さまには、マスクの着用をお願いしているほか、入店時に、非接触体温計での検温と手のアルコール消毒のご協力をお願いしています。
このほかにも一定時間ごとに出入口のドアを開放しての換気、従業員による筐体(操作ボタン等)の消毒を行っております。店内はかなり広いので、今のところ発生したことがありませんが、3密状態になる可能性がある場合には、入場制限や一定時間でのお客さま総入れ替えといった対応もとれるよう準備してます。
――来客者数は以前と比べてどうでしょうか。
緑川:休業前は土日になると2カ所ある大きな駐車場が満車になるほどでしたが、営業再開直後は土日でも半分埋まるかどうかという程度となり、前年比70%減の来客数となっていました。ただ9月の4連休に関してはオープン前から行列を作っていただくまでになり、少しずつ少しずつお客さまが戻ってきてくださっていると感じています。
破られたギネス世界記録 でも実は……?
――エブリデイと言えば、「単一会場におけるクレーンゲーム機の最多設置数」世界一として行田店がギネス世界記録に認定されていましたが、今年「タイトーステーション 府中くるる店」が、クレーンゲーム設置台数454台で記録を塗り替えました。そちらはご存じでしたか。
緑川:そのニュースについては把握しています。今回改めて東京本店に設置しているクレーンゲームの機械を数えてみたところ、9月時点で494台あることがわかり、その中からクレーンゲームとしてギネス認定を受けられる筐体を選別したところ、464台になりました。そのため、ギネス世界記録に認定されているわけではありませんが、台数としては東京店の方が多いかなという認識です。
――ということは、ギネス認定店よりも設置台数が多い可能性があるということですね。世界一を更新すべくギネス世界記録側に再申請する予定はありますか。
緑川:おそらくギネス世界記録への再申請は行わないと思います。というのも、ギネス世界記録への申請については、イギリスから来てくださる認定員さんの旅費だったり、申請料だったりでざっくりと100万円以上の費用が必要になります。弊社のような中小企業にとって申請費用は大きなものですし、そこにかけられる費用があるのであればお客さまに還元した方がよいのではないか、今の時点ではそのように考えています。
クレーンゲームは「取れない?」 変わってきたクレーンゲームの遊び方
――先ほど創業34年というお話がありましたが、なぜクレーンゲームに特化したゲームセンターの運営が始まったのでしょうか。
緑川:「エブリデイ」はもともと家電のディスカウント専門店として1990年に創業しました。そのころちょうど出回り始めていたクレーンゲーム機に社長の中村が目を付け、「お客さんが喜んでくださるかもしれない」と1台のクレーンゲームを店頭に設置したそうです。
するとそれが評判を呼び、中村はもう1台、もう1台とクレーンゲームを増やしていき、お店の中がクレーンゲームだらけになりました。たった1台のクレーンゲームをきっかけに弊社は当時まだ珍しかったクレーンゲーム専門の店ゲームセンターへとメイン事業を変更し、現在に至ります。
――ゲームセンターというと若い男性向けというようなイメージがあったのですが、今回初めてお店に寄せて頂いて、お客さんの年齢層の幅広さに驚きました。
緑川:エブリデイのターゲットは小さいお子さまを連れた“ニューファミリー層”なので、明るい雰囲気を大切にしています。1プレイ10円から遊べる筐体もありますし、大人の方はもちろん、お子さまでも気軽に楽しんでいただけるようにとさまざまな工夫をしています。
――ちょっと意地悪な質問なのですが、クレーンゲームというと「取れない」というイメージの方も多いようです。なぜそのようなイメージが広がっていると思いますか。
緑川:昔と比べてクレーンゲーム自体の遊び方が変わってきていることから、「最近のクレーンゲームは取れない」という風に感じられるお客様がいらっしゃるのかもしれないですね。
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