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「駅長に怒られるまで」「阪神・巨人のようなもの」 神戸・新開地駅のエスカレーターに設置されているPOPが2度見不可避すぎる 設置のワケは?

普通の会話に見えますが……?

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 関西のとある駅のエスカレーターに設置されていたPOP(ポップ)が、ネットで「センスある」「思わず笑ってしまう」と話題になっています。

 設置されているPOPは、エスカレーターに関連する「素朴な疑問」について、母と娘が会話するようなシチュエーションで描かれています。

 その内容は「エスカレーターで立つ位置が関東と関西で違うのはなぜ?」というもの。東西の利用方法の違いについて「ねぇ、お母さん!」と問いかける娘に、母は「関東への対抗意識があったんじゃない!」と、プロ野球における阪神・巨人の戦いで垣間見える対抗意識ようなものよと娘に教えています。

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 最後にしれっと「知らんけど…。」と添えるあたり、関西らしさが溢れていますね。


地域によってエスカレーターで立ち止まる位置が違う理由とは……?(写真提供:アズサネさん)

「知らんけど」来た!(写真提供:アズサネさん)

 「知らんけど」というのは、関西弁あるあるの1つ。とりあえず最後に「知らんけど」と言っておけば、なにか間違っていても「いや、知らんけどって言ったやん?」で罪から逃れられる最強の言葉として知られています。知らんけど。

 その後、親子のやりとりは「いつまでこのアイキャッチ続けるの?」「みんながエスカレーターで立ち止まるか、このアイキャッチの担当者が、新開地駅長から怒られるまでよ」と続きます。


「いつまでこのアイキャッチ続けるの?」(写真提供:アズサネさん)

「みんながエスカレーターで立ち止まるか、このアイキャッチの担当者が、新開地駅長から怒られるまでよ」(写真提供:アズサネさん)

 Twitterでは、このゆるい雰囲気で繰り広げられる世界観に癒やされた人から、内容に共感したという反応やシンプルに面白いとウケている様子。しかし、そもそもなぜこんなPOPが設置されていたのでしょうか?

 このPOPは、エスカレーターで利用者に立ち止まってもらうために設置しているもので、直接「エスカレーターでは立ち止まって」と言わずに、遊びごころを取り入れた手法に対して、ネットでは「頭がいい」「どうか新開地駅長さんは怒らないであげて」という意見が多く見られました。

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 阪神電気鉄道の広報担当者に話を聞いてみると、新開地駅に設置されているPOPは3代目。駅長の下で、新開地駅の管区(西元町~高速長田駅)の駅業務を管理する立場にある助役が設置したものだそうです。


Twitterで拡散された4枚の前後にも、実はまだ設置されている(写真提供:阪神電鉄)

娘からの質問第1問は「どうしてエスカレーターは歩くのダメなの?」というものだった(写真提供:阪神電鉄)

その答えは「安全装置が動作して急停止するかもしれないの!」と、その後の展開とは全く逆の真面目な内容(写真提供:阪神電鉄)

 新開地駅は1日の乗降客数が約2万3000人。また、約3万人が大阪方面(阪神方面、阪急方面)のほか、明石・姫路方面(山陽電鉄方面)から神戸電鉄に乗り換えていて、神戸市内にある駅の中でも特に混雑する駅の1つです。


POPは新開地駅のエスカレーター2基に設置されている(写真提供:匿名希望の方より)

 エスカレーターは阪神・阪急から神戸電鉄への乗り換えルートにあり、発車間際などはどうしても急いでいる利用者が目立ちます。エスカレーターで転倒する事故や荷物がぶつかるトラブルもあり、自動放送やポスターによる啓発を行ってきましたが、見逃されがちでした。

 多くの人が利用する新開地駅で、「利用者の目に止まり、エスカレーターで立ち止まってもらえるものはないか」という思いから、このPOPが生まれたといいます。

全国の鉄道事業者らが共同で、2020年10月より「エスカレーター『歩かず立ち止まろう』キャンペーン」を開始。新開地駅では、より効果的な訴求方法がないかと検討した結果、最初のPOPが生まれた

 最初のPOPは「エスカレーターは立ち止まってご利用ください」といった真面目な文面でしたが、より利用者の目に止まるよう、さらに進化。以前に設置されていたもの(2代目)は歌舞伎役者スタイルで、「あと少しの我慢~っ!そのままぁ~、そのままでぇーっ!」と書かれていたそうです。

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 「ネットでここまで話題になるのは想定外でしたが、これを機にエスカレーターの安全な乗り方(歩かずに立ち止まる、手すりをもつ)についてご理解いただけますと幸いです」と広報担当者は締めくくりました。


エスカレーターを上りきったとこに設置(写真提供:阪神電鉄)

大泉勝彦

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