【10年以上同じゲームをやってる人取材】中学生→二児の父親になるまで「テイルズ オブ デスティニー2」をやっても飽きない理由
主人公と同じくらいの年齢で始めて、今では30代。
毎年のように話題の新作が登場するゲームの世界。その一方で、長年にわたって同じ作品を遊び続けている人たちもいます。そこで本記事は「10年以上、同じRPGを遊び続けている方」にその作品と出会ったきっかけ、遊び続けている理由などを伺う読者募集企画。
今回は、2002年にPS2向けソフトとして発売された「テイルズ オブ デスティニー2」を15年以上遊んでいるという30代男性にお話を伺いました。
弟と一緒に遊んだRPG「テイルズ オブ デスティニー2」
中学3年生のころから現在に至るまで、テイルズ オブ デスティニー2をプレイしています。たぶん20周はクリアしているかと。
ーー RTA、コンプリートなどのやり込みをしているのでしょうか?
そういう目標があるわけではないんですが、冬になるときまってクリアしたくなる気持ちが湧いてくるんです。
わが家は一家そろってゲーム好きで、父親がたまにソフトを購入してくれることがあって。確か「弟と共同で1本」という形で、クリスマスに近い時期に買ってもらったんです。それで、お鍋みたいに「寒い季節のもの」みたいな印象が残っているのかもしれません。
テイルズ オブシリーズは一部をのぞいて、戦闘中だけキャラごとに操作できるようになっているので、フィールド移動などは私が、戦闘になると弟と一緒に……という感じで進めていました。
ストーリーは子どもでも理解できるくらい明快だったのですが、戦闘システムが歴代シリーズ作の中でも難解。1周目のプレイでは、何で負けたのかすら分からないほどでした(笑)。
2007年にPSP向けの移植版が出てからは、1人で黙々とプレイするように。現在はPS Vitaでゲームアーカイブス版を遊んでいます。
10年以上遊んでも飽きない理由
ーー 繰り返し遊んでも、飽きない理由はなんでしょうか?
PSP版を遊ぶようになったころにはストーリーはほぼ暗記していて、なかば戦闘シミュレーターのように遊んでいたような気がします。
すでに話した通り、戦闘システムは難しいんですが、自分の戦い方がハマったときには爽快感があります。
自分は“仮に最適解はあったとしても、自分なりにうまくカッコよくプレイできたときにゲームの喜びを見いだすタイプ”だと思っていて。例えば、最近のスマホゲーの攻略サイトを見ると「パーティーはこれが最強」「ガチャの当たりはこれ」と書かれてあったりしますが、それを模倣してもあまり思い出に残らない気がするんですよね。
また、現在は、極限までキレイになった3Dグラフィックが楽しめるタイトルも出ていますが、その3Dの世界で複雑なことをしようとすると、表示などが煩雑になってしまうな、と思うこともあって。
デスティニー2は2D戦闘ですが表記などが見やすく、アニメーションならではのキビキビしたアクションには、3Dにはない良さがあると思います。
ーー 何度もクリアしているとストーリーは覚えてしまうと思うのですが、そちらはどうでしょうか?
PSPで遊ぶようになったころには、ストーリーは暗記していましたが、それでもムービーは飛ばさずに見たり、同じところで何度も泣いたりしていましたよ。今はもうパブロフの犬みたいになっています。
人間ってだんだん皮肉に考えるようになったり、ゆがんだりしてしまうところがあると思うんですが、15歳の主人公・カイルは天真らんまん、聖人君子のような真っすぐさがあって、だけどおバカで。
同じ年頃だったときは、彼と同じ目線でゲームを楽しんでいました。終盤、カイルがヒロイン・リアラの運命を自分の手で決めなきゃいけないところで、子どもなりに一緒に苦しんだりしましたね。
二児の父になった今はカイルが子どもに見えるようになり、剣術には長けるけどまだ精神的に弱いところ、大人に知恵を借りながらも前向きにヒロインと進もうとする姿がグッときます。
そんな彼をニヒルながらに見守る保護者のロニ、ジューダスも良いですね。主人公の周りは本当に良い人ばかりで、全員好きです。
本企画では取材させていただける読者の方を募集しています
関連記事
「竜退治はもうあきた!」 ドラクエファンが「メタルマックス」を30年間遊び続けることになった理由
発売当時からプレイし続けている方(シリーズ、派生作も含む)。【10年以上同じゲームを遊んでる人取材】小1で“初めて買ってもらった自分のゲーム”「ポケモン エメラルド」をプレイし続ける理由
成長過程が伺える遊び方の進化。“1000回遊べるRPG”を4000回遊んだ男 「SFCトルネコの大冒険」に挑み続けるプレイヤーが語る「不思議のダンジョンには、まだ不思議がある」
求道者のごとく追い求める「トルネコ」の理論的限界。「†クラウド†」「KURAUDO」を名乗っていた人に聞く思春期のエピソード こうして俺たちは“クラウドになった”
「凶斬りを練習」「クラウド好きの女性に養われていた」ゲームの主人公は本当に「絶対的な正義」なのか? 「MOTHER2/3」のポーキーが問う”善悪の彼岸”
最高に意地悪で、最高に優しいRPG。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.