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働きながら休暇とるってどういうことだろう いきなり出てきた流行語「ワーケーション」って一体何だ?(4/4 ページ)

「また変なカタカナ言葉が出てきたぞ……」いきなり出てきたように思える言葉「ワーケーション」って一体何なのでしょう。ちょっとした誤解を解消し、「あぁ、そういうことなのね」と思えるよう、観光分野にも詳しい乗り鉄・書き鉄の筆者が解説します。

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「ワーケーション」は、つまり何なのか? L休暇の失敗に学ぶ長期休暇と「遊び方」

 日本の労働者が長期休暇に消極的な理由は、有給休暇取得について「(企業側に)法的な罰則がなかった」ことです。もう1つは、労働者側が責任感や人手不足など周囲の状況に「遠慮しがち」なことです。

 しかし、2019年4月からは罰則規定が設けられました。企業は年5日の有給休暇を取得させなかった場合、30万円以下の罰金となります。これで法律面は解決。あとは労働者個々の「働き方」の意識変化です。

 「仕事を抱えて休めないのに休まなくてはいけない。会社からは『規定の5日間は休め』と命令される。上は現場の実態を分かっているのか」などとネガティブに考える人、多いです。

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 そんなときに便利な、ポジティブに考えられるようになるシステム、それが「ワーケーション」です。

 有給休暇を取ってリゾートへ行こう。遊ぼう。でも、リモート環境でメールチェックはしたい。遊んでいるうちにアイデアがひらめいたら企画書や共有したい。仕事仲間と連絡を取れるようにしたい。定例会議には参加したい。そのための設備や手段があたり前にあればOK、というわけです。

 「ワーケーションだから9時から17時まで働きますけど、ランチや余暇はリゾートを楽しみます」「ワーケーションだから仕事のペースはゆっくりです」「ワーケーションだから自分のペースで作業します」「ワーケーションだから気が向いたら連絡します」など、さまざまな形のワーケーションがあると思います。

 仕事とは本来はそういうものかもしれません。また、「何かあっても大丈夫な状態でリゾートに行く」は、日本のビジネスパーソンにとっては、もっとも長期休暇に馴染みやすいか形かもしれません。

 企業側にも、ワーケーションの捉えかたが定まっていないことは課題です。日本航空のようにワーケーションを就業中と見なす形がベストです。しかし「会社としては有給休暇扱い、労働者側は仕事の責任を果たせる休暇」という形が増えそうな気がします。それでも、自主的な有給休暇取得が進めば良しとして、将来は誰もが「ワーケーション」ではなく「バケーション」を満喫できるようになればいいと思います。

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杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。鉄旅オブザイヤー選考委員。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。JR路線の完乗率は100%、日本鉄道全路線の完乗率は99.69%(2020年10月時点)

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