日本に3台しかない“本格スキーシミュレーター”があるホテルがすごいと話題に 設置の理由を聞いた(1/2 ページ)
ホテルでは日本で初めての導入。
山奥のホテルに設置されたスキーやスノボーを体験できるシュミレーターが、室内にいながら本格的すぎるトレーニングができてすごいと話題になっています。
ido monta(@IdoMonta)さんが投稿したのは既製品の「Ski & Snowboard Simulator」を使って開発されたサービス。2019年2月に長野県の志賀高原「癒しの宿 幸の湯」に設置された設備で、体の動きに合わせてレールが自動で動く仕組みです。製品の導入だけでも、北海道のブーツ開発研究用、横浜のトレーニング用に続く日本全体で3台目とかなり希少。さらにホテルやスキー場、高地に設置される例は他にないとのこと。導入施設や台数の少なさから、かなり本格的な設備であることが伺えます。
Twitterの映像では、スキートレーニングの様子を紹介。プレイヤーの体が左右に大きく動き、足にかかる重さに合わせて足元のレールも激しく動いているのが分かります。正面のスクリーンには雪山を滑降するバーチャル映像が投影されていて、ターニングポールが迫ってくる勢いはまるでスキーの視界そのものです。
ido montaさんに導入の経緯について聞きました。
── シミュレーターを設置したのはいつごろのことですか?
宿は53年目ですが、3年前の代替わりの際に新しい顧客層を呼び込もうと戦略を練りました。スキーを本気で頑張るアルペンレーサーのための環境が日本になく、日本のアルペン強化に寄与したいと考えたのです。志賀高原は1650メートルの高地でワールドカップと同じ標高でトレーニングができる、スキーでオリンピックに出た選手やコーチのノウハウが集積されコーチングができる、直ぐ側に日本最高クラスのスキー場があるなど、私たちが提供するしかない条件がそろっていました。
設置することで外来利用者だけでなく、宿泊者が増えるのではないかという事業計画でした。
── 他にも導入に至った理由はありましたか?
私個人の話ですが、代替わりした3代目が私にとって義弟で一緒に住んでいます。私の子どもがアルペンスキーのオリンピック選手を目指したいということで、親として環境を提供したい思いもありました。
── 導入にあたってどんな苦労がありましたか。
当時のホテルの売上では借りられないような借金を銀行に提案して渋られましたが、何個かビジネスコンテストに出て受賞したことで銀行担当者の目の色も変わり、2019年2月に稼働開始しました。
── 導入後の反応はいかがでしたか。
一般スキーヤー、ガチレーサーともに利用してくださっています。普及、強化のどちらにも体験として広がっていただき、志賀高原の四季の魅力と共にお伝えできたらと思います。
── 最近の営業状況について聞かせてください。
コロナ禍で大変苦しい状況ではありましたが、シミュレーターのおかげで前年比で激減することなく推移しており、2020年11月からは前年を超える売上を出せています。
スキーやスノボー初心者が練習に使うこともできますが、オリンピックのスキー・スノーボード競技で活躍する選手など、施設の評判はプロの間でも広がっているようです。シミュレーターについては専門的な知識も含めつつnoteでより詳細に解説されています。
ido montaさんはTwitterで、「夏場はどれぐらい暑いの?→最大でも25度くらいなので涼しいと思う」、「練習してみたいけど滑ったことない→滑ったことがない方でも滑れるようになります」などの質問や感想に1つずつていねいに回答しているので、読んでいるだけでたいていの疑問は解決しそうです。
画像提供:ido monta(@IdoMonta)さん
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