YouTubeで「収益化していない動画」にも広告表示 拒否はできない? Googleに聞いた
「収益化している動画とそうでない動画の区別はつくのか」「企業の動画に競合社の広告が出ることはある?」など聞きました。
YouTubeで6月1日の規約変更から、「収益化していないチャンネルの動画」にも広告が表示されるようになりました。この変更をめぐってユーザーから懸念や疑問が持ち上がっています。Google広報に聞いてみました。
この変更は米国では2020年11月から適用されていたもの。YouTubeパートナープログラム(YPP)に参加していないチャンネル、収益化に関する契約を締結していないチャンネルでも動画への広告掲載が始まります。その場合、広告収入は投稿者には分配されません。
広告が増えることへ否定的な声がみられるほか、動画投稿者の立場から、収益化している動画とそうでない動画の区別が付かなくなることへの懸念の声があがっています。区別が付かなければ、「収益化NGの素材やコンテンツを扱った動画」がルール違反だと思われる可能性があるためです。
また、企業の動画に競合他社の広告が表示されることもあるのでは、との指摘もみられました。Googleにこうした疑問点について聞きました。
―― 動画の投稿者が広告掲載を拒否することは可能でしょうか
Google 動画投稿者が広告掲載をオプトアウトできる選択肢はありません。
―― 収益化していない動画に広告を表示する場合の基準は
Google YPPに参加しているチャンネルかどうかにかかわらず、広告が掲載される全てのコンテンツは「広告掲載に適したコンテンツのガイドライン」を満たしている必要があります。
―― 基準を満たす場合は政府など公共機関の動画にも広告が表示されるのでしょうか
Google 法的な理由で、コンテンツに広告を掲載することができないチャンネルには、広告は掲載されません。また、政治、宗教、アルコール、ギャンブルなど、センシティブで規制されたカテゴリーの広告は、YPPに参加しているチャンネル以外のコンテンツには表示されません。
―― 広告が付くことで、「収益化された動画とされていない動画の見分けがつかなくなる」との声もあります。視聴者が両者を区別することは可能ですか?
Google 視聴者が収益化している動画としていない動画を区別することはできません。
―― 企業の動画に競合他社の広告が表示されるケースがあるのでは?と懸念する声も見られます。実際にそういったことは起こり得るのでしょうか。
Google 競合他社の広告が表示されないように取り組んでいます。ご質問のある動画投稿者や広告主はいつでも YouTube の担当までご連絡ください。
収益化している動画としていない動画の区別がつかないことで、例えば「収益化NGの規約のもとで配布されている素材を使った動画が、収益化していないのに規約違反との誤解を受ける」などのトラブルが発生することが懸念されています。こうした懸念について、Googleの見解を聞きましたが、現時点では回答が得られていません。
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