ニュース

114年間、伝統の製法が受け継がれる小田原の「鯛めし」東華軒「鯛めし」(830円)

毎日1品、全国各地の名物駅弁を紹介! きょうは東華軒の「鯛めし」です。

advertisement

東華軒「鯛めし」(830円)

【ライター望月の駅弁膝栗毛】

「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

新橋~横浜間の鉄道が生まれてまもなく150年。その日本最初の鉄道をルーツに持つ、東海道本線の沿線では、いまも老舗の駅弁屋さんが、伝統的な駅弁を製造しています。小田原を拠点とする東華軒の「鯛めし」もその1つ。明治時代の製造方法が受け継がれ、いまも小田原駅・熱海駅などで販売される駅弁の人気ナンバー1を誇っていると言います。小田原名物もしっかり入った「鯛めし」に迫ってまいりましょう。


E261系電車・特急「サフィール踊り子」、東海道本線・大船~藤沢間

東海道「鯛めし」紀行・東華軒編(第2回/全5回)

長年、多くの特急・急行列車が行き交ってきた東海道本線。現在の東京~熱海間の主役は、湘南・伊豆方面への特急列車となっています。昨年(2020年)にデビューしたE261系電車の特急「サフィール踊り子」は、全車グリーン車指定席の快適な観光列車。なかでもプレミアムグリーン車は、いわゆる在来線版グランクラス。懐かしさを込めて言えば、昭和30年代の東海道特急にあった1等車・パーラーカーのような存在でしょうか。

advertisement

鯛めし

昔のビジネス特急「こだま」が行き交ったころよりはるか前から、東海道の旅人たちを見つめてきた駅弁といえば、東華軒の「鯛めし」(830円)です。誕生は明治40(1907)年のこと。今年(2021年)で114年の歴史を誇ります。東海道本線が御殿場回りだった時代、国府津では補助機関車の連結で列車が長く停まり、「鯛めし」を買い求めた乗客も多かったことでしょう。いまも東華軒ではトップの人気を誇り、名物駅弁の1つとなっています。


鯛めし

【おしながき】

  • 茶飯
  • 鯛おぼろ
  • ゆず大根漬け
  • 梅干し
  • わさび漬け
  • あさり佃煮
  • 蒲鉾
  • ちくわ

鯛めし

東華軒によると、いちばんのこだわりは茶飯の上に載った「鯛おぼろ」。明治時代の誕生以来、調理場で脈々と受け継がれている伝統の調理法で、ほんのり甘く仕上げられていると言います。もちろん、小田原名物の蒲鉾は地元の業者のもの。あさりの佃煮や竹輪といった素朴なおかずやピリ辛のわさび漬け、香の物でアクセントを付けながらいただいていくのが、本当に楽しいひとときです。


E257系電車・特急「踊り子」、東海道本線・根府川~真鶴間

金目鯛ゆかりの海・相模湾を望みながら、全車指定席になったE257系電車の「踊り子」が伊豆を目指します。東海道本線屈指の海が見える“絶景”区間で駅弁をいただくのは、やっぱり格別。しかも、明治・大正時代に御殿場回りで東海道を旅した人たちは、この景色は見られなかったことを考えると、丹那トンネルの難工事に従事した人たちへの感謝の気持ちも生まれます。そんな東海道の歴史にも思いを馳せていただきたい鯛めしです。

(初出:2021年6月25日)

advertisement

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史

昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。

駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

「駅弁膝栗毛」バックナンバー

Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  7. 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  8. 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  9. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響