“おじさんの二人暮らし”という破壊力 漫画「おじさんぐらし」が描く、静かで穏やかなおじさん空間がずっと見ていたくなる(1/2 ページ)
仲良しだけど、微妙な距離感。
いつもしかめっ面で生真面目な「寅さん」と、柔和で気のいい「フミ」、対照的なおじさん2人の共同生活を描く漫画「おじさんぐらし」が、ほのぼのしていて和みます。作者はTwitterユーザーのイマイマキ(@koguma_kanoko)さん。読み進めるうちに分かってくる、ちょっと不安な2人の関係性も見ものです。
2人は40代のおじさんなので、交わすやり取りも年相応。第1話からして話題は「老眼」です。新聞の文字が読みづらくなった寅さんに、フミは自分の老眼鏡を貸してあげました。
老眼鏡は効果てきめんだったようで、レンズ越しのクッキリした文字に、寅さんはハッと驚いた様子。それでも自分の老いを認めたくないのか、「違うと思う」と老眼を否定するのでした。
老眼の話に続く第2話はというと、今度は寅さんに届いた「人間ドックの案内」の話と、話題の重さがステップアップ。しかし胃カメラもバリウムも嫌いな彼は、小さなカプセル型カメラを飲むだけで済む時代まで待つと言い出して、フミに「待つな」と却下されるのでした。
このように、堅いようでいてちょっととぼけた寅さんは、ちょくちょくフミにツッコまれています。仕事帰りにケーキでも買っていこうと思いついたときも、「フミはもうおっさんなのだから太らせまい」と一度は思いとどまりつつ、結局大量のカロリーをおみやげに持ち帰ってしまいます。おいしいものを食べさせたい気持ちが勝ったのかもしれませんが、当のフミは「開き直るなよ」とあきれ気味。
そもそも2人はどんな関係なのか、なぜ一緒に暮らしているのか? それは作者がTwitterやLINEマンガ インディーズで公開している、第4話以降で分かります。仲良しのようでどこか危うい、2人の微妙な距離感が見えてきて、続きが気になることうけあい。最終話(第22話)までのネームはできているとのことで、完結が楽しみです。
作品提供:イマイマキ(@koguma_kanoko)さん
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