【生き物で事故った体験談】「やばい、逃げなあかんやつやんけ」 仕事帰り、暗闇のなかで襲ってきた“大型犬ほどの野生生物”(1/2 ページ)
デカい。
ねとらぼ読者から生き物で起こった事故、トラブルのお話を伺う募集企画。今回は「暗闇の中、大型犬ほどの野生生物が突進してきて……」という体験談です。
「やばい、逃げなあかんやつやんけ」
私が住んでいるのは、関西地方の山間部。猪や鹿、猿の農作物への被害が、近所のおじいちゃん、おばあちゃんたちの日常的な会話のネタになるようなところです。
さすがに最近は見掛けなくなりましたが、20年ほど前は、猟友会的な人たちが猪を銃でぶちのめし、食べた後の毛皮をガードレールに干しているのも普通の光景でした。小学校低学年だった私は、勝手にその皮をかぶって「もののけ姫ごっこ」と称して遊んでいました。
さてある日、仕事から帰ってきたときのことです。自動車で帰宅すると玄関のライトがついておらず、庭は真っ暗。「毎日歩いてる場所やし、まあいけるやろ」と歩き始めたのですが、目が慣れてきて「何かいるな……?」と気付いたタイミングで、その“何か”がこちらに向かって突進してきました。
ラブラドルレトリバーほどの大きさの、猪でした。
ドのつく田舎ではありますが、その分、野生動物が食べるものはたくさんあるので、「人の住むエリアまでは猪も入ってこないもの」という認識です。おそらくですが、我が家の裏山から誤って転がり落ちてしまったのでしょう(それまでもウリ坊や野ウサギが山から落ちて迷い込んできたことがありました)。
その猪は興奮していたのですが、当時、我が家の敷地内には近所でも知られたボス猫が住み着いていたので、“裏山から落ちてきた猪”と“なわばりを荒らされたと思った猫”とでケンカしていたのだと思います。
―― その猪の突進を受けて、どうなりましたか?
そのとき私はスーツにヒール姿で、「やばい、逃げなあかんやつやんけ」と思った瞬間にバランスを崩して転倒。ですが、それが逆にうまく回避した形になり、猪にぶつかられずに済みました。
一度攻撃(?)を外した猪は、それがきっかけで我が家の敷地から出る道に気付いたらしく、そのまま坂を駆け降りるように走り去っていきました。
その後、玄関を開けて家の中に入ると、祖母がリビングでテレビを見ていて、「庭に猪おったやろ? おかえり」と何事もないように言われました。「知っていたなら教えておいてほしかったな」と、転んだ際に破れたパンストを処分しながら思いました。
あれ以降、室内屋外問わず、どれだけ慣れた暗闇だろうとせめてスマホの画面で周りを確認するようになりました。さすがにもう猪案件はないと思いますが、一度体験した衝撃は忘れられません。
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