【漫画】年齢に関わらず「好き」は人を輝かせる 夫を亡くした女性がメイクを通じて好きなものの大切さを知った話(1/2 ページ)
忘れてしまいがちだけど、大切なこと。
夫を亡くしたおばあちゃんが、メイクを通じて新しい世界に足を踏み入れる創作漫画がTwitterで話題になっています。
親戚一同が集まるお通夜の日。長年連れ添った夫を亡くした主人公は、孫から「なんでも好きなことできるやん」と言われます。「ばあばは十分楽しいし 好きにさしてもろてました」と答えた主人公ですが、この孫の言葉がどこかに引っかかっていました。
確かに、身の回りのことはすべて妻に任せっきりだった夫のお世話の必要がなくなり、自由時間は増えたはず。けれど、なんとなくテレビを見て過ごす毎日が続きます。
久しぶりに外に出ようと思い立った主人公は、お化粧でもしてみようかと口紅を手に鏡に向かってみますが、昔夫からかけられた「そんなんして誰が見んねん みっともない」という言葉が胸をよぎり、手を止めてしまいます。
外に出てみると、歩き慣れた町並みも一人だと新しい発見があることに気付きます。そんな中、あるお店が目に飛びこんできました。
そこにいたのは、年はおそらく自分とそんなに変わらない女性。でも、肌がきれいで、背筋も伸びていて、服のセンスもとてもステキです。その美しさに魅了され、主人公は女性から目が離せなくなってしまいます。
今まで家族を優先していたからこそ、近所にあるのに気付くことのなかったお店とその店主。心を奪われる主人公でしたが、ショーウィンドウに映った自分の姿を見て、思わずその場から立ち去ろうとします。すると、そんな様子を見た女性は「見るだけでも見ていかはりますか」と声をかけてくれたのです。
女性のすすめで、タッチアップをすることになった主人公。「化粧で年齢を隠さなきゃいけない」と思っていた主人公でしたが、女性は顔と年齢を物語にたとえて、年齢を生かしたシワを隠さないメイクを提案してくれたのです。
化粧の仕上げは、スイートピーのような明るいピンク色の口紅。しかし、これまで塗ったことのないような「派手な色」を提案されたことに主人公は思わず躊躇してしまいます。「うちがそんな色、みっともないて言われそうで……」。そう呟き、亡くなった夫から言われた言葉を伝えると、それを聞いた女性から返ってきたのは思いがけない反応でした。
「けったくそ悪いのう…」。女性は、先ほどまでのイメージとはギャップがある言葉を使い、自分のために怒ってくれたのです。その勢いに、思わず吹き出してしまう主人公。うれしい気持ちとともに思い直し、「その色でガーッとひと思いにやったってください!!」と新しい口紅にチャレンジするのでした。
妻となって、母となって、いつの間にか自分のことに時間を割くことがほとんどなくなっていた。テレビなどのメディアでは「年齢相応」の化粧やルックスを求められ、化粧をすれば家族からは「みっともない」「何使っても変わらない」と言われてしまう。主人公は、「私は化粧をしても無駄」と思い込んでしまった自分自身に気が付き、自分自身の「好き」や「楽しい」という気持ち、そしてそれを大切にすることの意味を思い出したのでした。
作品を読んだ人からは、「自分がときめくものを身に纏って生きていきます」「救われたような気持ちになりました」「何歳だったとしてもどんな性別だったとしてもやっぱ好きな事に生き生きと生きる人って綺麗ですよね」といった声が寄せられています。
「好き」という気持ちは、年齢や性別に関係なく人を前向きにさせるパワーを秘めています。主人公はそれが「お化粧」でしたが、自分の好きなものに置き換えてこの漫画に勇気づけられる人も多いのではないでしょうか。
「お化粧が好きな方はお化粧を(もちろん性別関係なく)、そのほかのことが好きな方はそれを、みなさんがより楽しめますように!」という作者のschwinn(@schwinn_draw)さん。主人公と女性の物語の続きは、今後もschwinnさんのTwitterアカウントで公開していく予定だそうです。
画像提供:schwinnさん(@schwinn_draw)
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