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アトピーを放置したら死にかけた 彼氏と彼女の「感染性心内膜炎闘病記」(1)(2/3 ページ)

深夜に突然の高熱。そして、死亡リスク8%の心臓の手術を受けることに。

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 そのときは夜の10時ごろ。震える手で何度か119番を押そうとするもうまくできず。何度か深呼吸をして、覚悟をきめてやっと119番を押すことができました。

 救急車がくるまでの間に、取りあえず必要そうなものをぽんぽんかばんに入れて、どきどきしながら待っていました。そして、彼氏はトイレから救急車に運び込まれていったのです。

 初めての救急車は、怖くて怖くて仕方がありませんでした。でも踏ん張って何とか泣かずに症状をメモした手帳を見ながら状況を伝えました。結果病院に着くころにはすっかり車酔いになっていました。救急車ってめっちゃ揺れるんですね(汗)

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 彼氏は天涯孤独のため、病院などの書類などはその後ほぼ私が書くことになりました。

 気が動転しそうでたまらない私は、少しでも平静を取り戻すためにTwitterで現状をつぶやきました。Twitterでは救急車を呼んだことを「勇気ある行動」とほめてくれた人もいます。でもとんでもないです。私は本当にぎりぎりまで救急車を呼べなかった弱虫で、今でもそのことを悔やんでいるのです。

 救急に運ばれた彼氏を待合い室で待っているときにかばんの中を確認したら、無意識に仕事道具であるポメラ(文章を書く電子文具)と、イラストが描ける水彩色鉛筆セットを入れていたことに気がついてびっくり。

 救急ではものすごく暴れたらしい彼氏ですが、やがて病室に運ばれました。

お医者さん「大丈夫ですかー? 頭痛いですかー?」

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彼氏「頭はわるいれす……」

お医者さん「そんなことないですよー(笑) いつもこうなんですか?」

私「いつもこうです、なんかすみません……」

 明日彼氏が目覚めたらびっくりするかもしれない。そう思った私はポケモンのイラストとメッセージをおいていきました。この日から、毎日ポケモンのお見舞いイラストを描いては病室に飾るようになりました。

 病院でタクシーに乗り、家に帰るまでは不思議と落ち着いていて、取り乱したり、泣いたりはしませんでした。でも一人で家に帰ってきたとき、気が抜けたのか、不思議と涙が出てきて一気に号泣しました。感情がぐちゃぐちゃになって、手が震え、涙が止まりませんでした。

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発症から6日目

 翌朝、私はいまひとつよく眠れなかった身体を引きずりながら病院へ向かいました。心臓はずっとバクバクしていましたが「もう病院に行ったから大丈夫」と自分に言い聞かせていたのです。

 しかし、いざ病室に行くと、状況は対して変わっていないことが分かりました。いまだ続く高熱、早く動く心臓、そして意識の朦朧(もうろう)とした彼氏。

 彼氏は病院にいることもよく理解していないらしかったのですが、幸い私のことは分かったらしく「たまごちゃん、助けて、この管取って」とせがまれました。もちろん、勝手に抜くことはできないので断ると、なんと彼氏が激怒。彼は普段怒るような人ではないので、とても動揺しました。

 ちなみにこのころの彼の幻覚では、自分は神殿にいて、ナースコールを押すと誰かきてくれるので、自分は王様か何かだと思っていたらしいです。

 そしてお医者さんに呼ばれ、今の状況を説明されました。心臓の弁がおかしいらしく重篤な状態とのこと。ことの深刻さを将棋で例えられましたが、私は将棋が分からないので、ただ深刻なことだけが伝わってきました。

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 看護師さんにも「できるだけそばにいてあげてください」と言われました。はじめはただの高熱だと思っていましたが、彼氏は今まさに生死をさまよっていたのです。

発症から7日目

 病院ではいろいろなことを聞かれましたが、症状や食べたものの詳細は手帳にメモしていたので、メモ癖がとても役に立ちました。

 この日は検査ラッシュでした。脳の所々に脳梗塞ができているそうでした。もしも心臓の外科手術が必要になった場合そこの病院では対応できないらしく、転院することになりました。幸い、この判断は正しく、彼氏はその後心臓弁の手術をされることになります。

 というわけで荷物をまとめ、早くも人生二度目の救急車です。

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