新人コピーライターを「ゾワッ」とさせた先輩の教え 自信満々のコピーが酷評された理由に納得(1/2 ページ)
「上手いこといえばいいってもんじゃないんだね」「どの仕事にも通じるなぁ」などの声が寄せられています。
街中のポスターやテレビCM、雑誌・新聞・ネット広告などで当たり前のように見られるコピー(広告文)。そんなコピー作りの「難しさ」と「深さ」を感じさせる漫画がTwitterで話題となっています。作者は広告代理店のコピーライターを経て漫画家となったうえはらけいた(@ueharakeita)さん。
新人コピーライター時代、うえはらさんは社内のさまざまな先輩から与えられた課題に取り組んでいました。厳しいダメ出しに疲弊する日々だったと言います。
そんななか、A倉先輩から出された課題は「節電を促すコピー」を3案だけ書いてくるというもの。優しい課題だとうえはらさんは喜びます。
翌日、うえはらさんは3つのコピーを提出。先輩は提出された案のうちの1つ「OFFICEをOFFに」を指してこう聞きました。「君はもしこれが貼ってあったら節電する?」。うえはらさんはエッとたじろぎ「こんな文章いちいち読まないかも……」と答えます。
「だよね」と同意し、先輩は続けました。「みんなに節電してほしいなら『節電中』と書けばいいの」。震災後にあふれた“節電を促すコピー”は、どれも言葉遊びに終始したようなものばかりで、実際に機能したものはほとんどなかったとも振り返ります。
そして、コピーライティングをなりわいとする上で大切なのは「『言葉は万能ではない』 それを肝に銘じること」と言う先輩。先輩から伝えられた言葉に、「コピー」という世界の奥深さを感じ、驚きと感動を覚えたのでした。
漫画を読んだ人からは、コピーを書くことについて「上手いこといえばいいってもんじゃないんだね」「キャッチコピー、真面目に勉強すると世界観がごろっと変わるんですよね」など、その奥深さに共感する声が多数寄せられていました。「言葉は万能ではない」との先輩の教えについて、「どの仕事にも通じるなぁ」「経営も技術もそう」というコメントも。
うえはらけいた(@ueharakeita)さんはTwitterやnoteに漫画を投稿。おさむとつかさ、幼なじみ2人の成長を描いた「コロナが明けたらしたいこと」が7月に書籍化されています。広告・マスコミ・IT業界志望者向けの就活情報サイト「massnavi」ではコピーライター時代を描いた「ゾワワの神様」を連載中。
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