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世代交代を成功させた新時代の「メガテン」 仕事の連絡を絶って遊び続けた歴年のファンが「真・女神転生V」をガチでオススメ(1/3 ページ)

過去作への敬意も挑戦も兼ね備え、新たな境地も描いたシリーズ最高傑作!

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※ストーリーに関する直接的なネタバレの前には警告を入れますが、それ以外にも人によってはネタバレと感じられる内容があるかも(システム、分岐など)。あと、他の作品の話もします

 2017年のティーザートレーラー以来、一体いつ発売されるのかと首を邪神エキドナのように長くしながら待ち続け、ついに発売された「真・女神転生V」を喰らいつき、まるかじり、セラ発見時に居合わせたアサインメンツ兵たちの末路のように、骨まで残らないほどしゃぶり尽くしながら遊び続けている全国のアトラスゲームファンのみなさん。最高のメガテンライフを送っておられるでしょうか!? 送ってますね(断言)。そう。ついに! あの! 「真・女神転生V(以下、真5)」が、Nintendo Switchで発売されました(公式サイト)。発売されました! ああ、もう、待っていましたよ……。ずっと待っていました。待つ間に怠惰界で穴を掘りすぎてバラムを貫通し、そのまま魔神皇に直通で会いに行けるトンネルを掘っちゃうんじゃないかと思うくらい、前作から5年、発表から4年の月日を待ち続けました……。

 発売後は仕事の連絡を全てキッパリと絶ち、初見から1周目HARDでプレイ。クリアまで●●時間かかった後(具体的な時間はあえて伏せます)、クリア後は仕事仲間や編集へバレないように「知られたくないとき用のアカウント」を用意して、そちらで新たに1周目からプレイするくらい、実に最高のメガテン。シリーズファンにも新規ファンにもオススメできる素晴らしいメガテンでした。特に私のような気持ち悪い古参アトラスゲー狂いや、私と同じくらいアトラスゲーに漬かったファンに向けて、これ以上ないくらい真剣に、真面目に作られた傑作だったのです。

 ちなみに私は全てのアトラスゲーが好きなので、基本的にどれも最高傑作扱いというイカレた存在なのですが、そうしたひいき目を抜きに最高と言わざるを得ない出来でした。一般的に気になる部分があるのも理解したうえで、総合的なゲームとしての完成度が非常に高い。

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 旧DDS(デジタル・デビル・ストーリー)シリーズはもちろん、真シリーズのナンバリングだけでも、「真・女神転生」が初代にして厨二心にICBMが直撃する偉大な最高傑作。「真・女神転生II」は、センターもイチオシして九頭龍が買いに行くくらいの神話級最高傑作。「真・女神転生III(マニアクス含む)」は、静かな雰囲気に感動した坊ちゃまが上着ごと持って行くほど素晴らしいアマラ級最高傑作。「真・女神転生IV」は、原点回帰にサムライたちもニヤリと笑ってカロンにゲームコインを支払うアハズヤミカド王御用達の最高傑作。「真・女神転生IV FINAL」は、絆を信じたくなる完璧な続編にして私はいつもトキを選びがちな最高傑作なのですが、本作もそれに並んで追い付き追い越すくらいの最高傑作です。もう、最高傑作と何回書いたのか分からなくなりましたが、最高だったんですよ! アトラスファンとして!! メガテンを待ち続けた人間として良かったのです!! ちゃかす気も起きないくらい、うれしかったの!!

 今回はガチでオススメすべく、また頼まれてもいないのに「メガテンファンとしてどこがうれしかったのか」をまとめた記事を「ねとらぼ」に送りつけました。相変わらず、迷惑なファンすぎる……。本当はもう少し知恵のパラメータが高いレビューにしたかったのですが、重度のファンが狂ったようにオススメする記事にしかならなかったので、もう開き直って気持ち悪いくらいオススメしますよ!

真・女神転生V(公式サイト

ライター:するめ(以下)マン

アトラスのゲームが好きすぎて、周囲でヤバイ扱いをされるライター。「メガテンα」の作品を遊ぶためにバイト代を携帯電話に注ぎ込み、親指の皮が向けて医者に怒られるほどガラケーを酷使。五代ゆう氏の同人誌を購入し、鈴木大司教がザウスで出した18禁ゲーム「新世黙示録 ―Death March」を周回。実写ドラマ「真・女神転生 デビルサマナー」のVHS版を探し求める(DVD-BOXはノーカット版じゃないから)狂った古参ファン。

廃墟を迷わせることで世界に浸らせるゲームデザイン

 崩壊した東京(たまに魔界や南極なども)を舞台に、神と悪魔の戦いに巻き込まれながら己のスタンスを貫く「真・女神転生」シリーズ。3DSで出た前作「真・女神転生IV」と「真・女神転生IV FINAL」(よく誤解されがちなのですが、完全版ではなく続編です)は、ハードのスペックもあって2D戦闘+3Dのダンジョンという形式でしたが、本作は「真・女神転生III」以来、久々となる完全3Dのナンバリングメガテンです。戦闘も、探索も、イベントも3D! 「ペルソナ」シリーズにばかり力を入れて、メガテンは見捨てられるんじゃ……なんて不安を抱いていた人たちの心配を吹き飛ばすように、気合の入った3Dメガテンが出てきました。

悪魔のモーションも凝りまくりで専用スキルも存在。新規悪魔はグロいやつからメガテンの伝統にこだわらない媚び媚びのデザインまで、今の時代に合ってます!

 まず、ここで大感激。アトラスファンは、常に崩壊した3Dの東京を歩きたくて仕方がなく、歩きながらいつも脳内で壊れた街並を想像している(個人差があります)生き物ですが、サービスを終了したオンラインRPG「真・女神転生IMAGINE」以上にグッチャグチャに崩壊した東京を歩けます。ダアトと呼ばれる魔界化したトウキョウは、ビルのがれきと埋まった車、道路や歩道橋が散乱する混沌とした大地。悪魔たちが縄張りをつくり、自由気ままに生きるトウキョウを駆け巡り、飛び跳ね、探索を楽しめるのです。

 似たような系統の3D・RPGと比べても高低差が激しく、人を選びそうなマップデザインではあるのですが、個人的には最高すぎて延々ビルに飛びつき、階段を昇り降りしつつスクショを2万枚ほど撮影しながら遊んでいました。Switchはスクショの上限が1万枚なので、2回PCに移したのです。ストーリードリブンの作品ではなく、広大なトウキョウをさまよいながらサブクエストや探索をこなし、壮大なテーマを俯瞰した視点から考察していくクールな作りもうれしかったですね。マップの構造はオープンワールド風でありながらも、従来のメガテン。少し意地悪な形をしたトウキョウを探索する楽しさが詰まっています

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上から「真I」のシバ周辺、「真III」のシバ周辺、「真5」のシバ周辺。従来の崩壊後大マップとダンジョンが一緒になり、広大なダンジョンを構成しているようなイメージです

 「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」に出てくるコログをメガテンスタッフが汚く解釈したような“ミマン”集めも楽しくて仕方がありませんでした。彼らが語る「既に滅んだトウキョウの名所解説」や重要な設定は、世界観を理解するうえで欠かせません。2周目以降の収集は正直に言ってかったるい(でも、集めるオマケがおいしいのでやらざるを得ない)ところもあるのですが、1周目の時点で十分楽しかったのでOK。従来の作品だったら、あったりなかったりして不親切だった「トラポート(セーブポイントに戻る魔法)」に当たるアイテムも用意されており、高難易度でもフェアに探索を楽しんでもらおうという心遣いを感じます。

 「オープンワールド風なのにわかりにくい高低差だらけで、やたらと入り組んだ従来のメガテン的ダンジョン」が苦手な方もいると思うのですが、個人的には本作におけるメガテンらしさへ多大な貢献をしている要素だと感じました。敵とのエンカウントを防ぐシリーズおなじみの“エストマ”も、自分のレベルより高い敵ですら接触しただけで消し飛ばしてしまう親切さ。あえて、困らせるように配置された敵も無視できてしまう(でも、面白い配置をしてるからたまには戦ってあげてほしい)のは、いささかやり過ぎなくらいです。ゲーム的に、今回こそエストマソード(※1)が復活すると思っていたのに……!

※1エストマソード:「真・女神転生IV」におけるエストマ。使用したあとに剣で切りつけると敵が消滅した。不便過ぎたのか、続編の「真・女神転生IV FINAL」では敵にぶつかるだけで消滅するエストマに変化。恐らく、私以外は誰も復活を望んでいないスキル

デフォルトだと視界が狭いので、オプションでフィールドのパネル表示を「移動中は非表示」にするのを推奨。カメラ視点がつらい人は、カメラを低速にするのも手です

 カメラが主人公に近く、3Dゲームが苦手な人には若干厳しそうな部分や●●●(ネタバレのため検閲)の3層に関する文句が出ているのも把握していますが、自分は1周目だと気になりませんでした。ならないというよりも、ほぼ1発でクリアできたので1周目はまったく気にしなかったというか……。ですが、2周目以降で若干めんどくさくなったので「なるほどなー。理解したであります」と納得。確かにアクションが苦手な人や、3D酔いしやすい人には一部厳しいところがあるかもしれません。ですが、そこは公式でパッチが当たったのでひと安心(苦手な人にはまだ辛そうなので、ギミック難易度選択パッチも希望)。

※公式ですが、リンク先にダンジョン名のネタバレがあるのでご注意ください

 世界を探索し、メインストーリーだけではなくサブクエストや悪魔たちの話からテーマを実感。迷ってバトルで苦戦することが楽しさにつながるゲームなので、こうした細かい部分で評価が下がってしまうのはもどかしいですからね。パッチ大歓迎。本当に「大切な仲魔(仲間の悪魔)たちと一緒にバトルで苦しみ、トウキョウで迷いながら世界そのものを俯瞰するゲームプレイ」が快感につながる作品です。少々大ざっぱでいじわるな全体マップを拡大してじっくり眺めつつ、多分あそこから登れて、あっちに入って……と考えるのも、また楽しい。初代「真・女神転生」でステータス画面を開いたとき、ボロボロに壊れたビルや青空が見えて「いつかこの画面のままで歩けたら」と思ったときの感覚が……「真・女神転生III」で砂漠のようになった大マップを歩き、ここも3Dのキャラで歩けたら……と思っていたときの感覚が、遊んでいるうちによみがえってきました。だからこそ、廃墟のトウキョウをただただ歩くだけでうれしくなります。お供のようなパートナー悪魔(クエストナビ)を連れ歩ける仕組みもうれしさ倍増。「真・女神転生NINE」や「葛葉ライドウ」シリーズのような懐かしさですし、種類は少ないものの連れていきたい悪魔を連れ回せました。いや、ちょっと少ないな。もう少しナビの種類が増えてくれてもいいんですよ……? マーメイドとかモー・ショボーとかも延々と連れまわしたいし、本作にいないどころか「デビルサマナー」や「デビルチルドレン」の悪魔だけど、私はナハトコボルトを連れ回したかったいやいやマジで。まあ、これはぜいたくな話ですね。

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