ニュース

間違っていたって構わない、だから言語解読アドベンチャー「7 Days to End with You」は今の時代に遊ばれるべき傑作ゲームなのだやや最果てエンタメ観測所(3/3 ページ)

『解体新書』を翻訳した杉田玄白や前野良沢の気分になれるゲーム。

advertisement
前のページへ |       

間違っていたって構わない。「だからいい」

 これは社会論にまで踏み込むのだが、今の世の中を生きる人たちは「間違えない」ことばかりに気を取られ、物語作品の解釈にもあたかも一つの「正解」があるかのように考えてはいないだろうか?

 時々、ネット上に溢れる映画批評、漫画批評、あるいはそれらに対してのコメントなどを読む度に、今の世界はまるで「感想」さえもみんなで競って「正解当て」ゲームをしているかのように思える時がある。ついうっかり駄作を褒めてしまわないように。もしくは、SNSの多数派からズレた感想を書いてしまわないように、と。

 ――あえて言いたい。それは「違う」。

advertisement

 もちろん、他者の解釈を見て、後から自分が解釈を「読み間違えていた」ことに気付くことがあってもいい。ただ、それでもあなたが作品に最初に抱いた「感情」そのものは決して毀損(きそん)されるものではないし、するべきではないのだ。なぜなら、その積み重ねが「あなた」という人間を形成する。

 だから先述した通り、あなたがプレイ後に「解答」らしき単語を調べてみたとして、それがもしあなたの解釈と違ったとしても、「間違えてしまった」と恥じることなく、それ以前に生まれていたあなただけの彼女の言葉を、あなただけの物語を、あなただけの感情を、どうか大切にしてほしい。

 あなたが感じたことに「間違い」など何一つない。あるいは、登場人物の行動も含めて全てが「間違って」いて、だからこそ「いい」のかもしれない。このゲームが教えてくれるのは、そんなことだ。この窮屈な時代に、本作がもっと遊ばれて、そのメッセージがもっと広く伝わればいいなと思っている。

 

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  4. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  7. 高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
  8. 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」
  9. 「2度とライブ来るな」とファン激怒 星街すいせい、“コンサート演出の紙吹雪”が「3万円で売買されてる」 高値転売が物議
  10. “膝まで伸びた草ボーボーの庭”をプロが手入れしたら…… 現れた“まさかの光景”に「誰が想像しただろう」「草刈機の魔法使いだ」と称賛の声