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これ電車? ディーゼルカー? 電車警察な人も気になる“ハイブリッド”な特急「ひだ」に乗ってきた月刊乗り鉄話題(2022年7月版)(3/4 ページ)

ハイブリッドな電車って、さてどういうことでしょう? 注目の新型車「HC85系」、要チェックです!

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ハイブリッドモードで静かな加速 楽しいぞ「HC85系」!

 ひだ1号は定刻に発車。岐阜までは東海道線の複線区間をビュンビュン走ります。最高速度は時速100キロを超えていました。時速120キロに届かない理由は、従来のキハ85系のダイヤを踏襲しているからでしょう。HC85系の真の性能発揮は次のダイヤ改正以降になると思われます。


岐阜まで進行方向と逆向きの座席。窓の外の名鉄電車との位置関係で分かる人は分かる(笑)

 隣の車両に向かう通路上のモニターでそのときの「走行モード」が分かります。

 HC85系は基本的にエンジンの発電力でモーターを回して走行します。発車時、加速時はバッテリーからも電力が供給されてパワーアップします。減速するときはモーターの回転を使って発電する仕組みの電力回生ブレーキでバッテリーに蓄電します。ためた電力をまた加速時に使います。

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モニターで動作モードをチェックできる。プリウスなどのハイブリッド車で見られるアレと似ています! 画面はエンジン+バッテリーアシストで加速中のとき

巡航時はバッテリーアシストお休み

減速時は回生ブレーキでバッテリーを充電

 ハイブリッド方式になって、加速時のエンジン音は静かになったようです。先代キハ85系は加速時にエンジン回転数が上がり、どうしても騒音が大きくなりました。しかしHC85系はエンジン回転数を上げる代わりにバッテリーアシスト込みで加速します。モーター音は出ていると思いますが、エンジン音よりは小さいです。電車のようにスムーズで力強い加速です。


停車時のモニター画面

 駅などで長時間停車するときはエンジンを止めて静かになり、バッテリーから供給される電力で空調や照明などを維持します。エンジンが始動すると、一瞬ブルッと振動が出ます。クルマの「アイドリングストップ」みたいで、ハイブリッド方式ならではの感覚です。

 鉄道におけるハイブリッド方式のメリットは低騒音と加速感だけではありません。省エネルギーとCO2排出量の削減に大きく寄与すると期待されています。

 先代のキハ85系は1車両につき2基のエンジンを搭載し、両端の台車に動力を伝えました。HC85系のエンジンは1車両につき1基だけです。それも発電だけに使うのでエネルギーのロスが少ないとされます。それでディーゼルエンジン2基で走っていた車両と遜色ない性能を実現しました。燃費とパワーの性能アップを感じられます。

 走行中の揺れも小さくなりました。高山本線は急カーブが多い路線です。先代キハ85系は台車にヨーダンパーを設置して揺れを抑えていました。HC85系は台車の軸受けを改良して、上下、左右、前後の方向の揺れを抑えます。グリーン車にはセミアクティブダンパーも備えて揺れをさらに抑えているそうです。

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 室内も静かになりました。エンジンの取り付け位置をデッキ下に移し、防振ゴムを二重にしたそうです。エンジン音は微かに聞こえます。しかし会話が妨げられるほどではありません。車体のビビリ音もなく、車内放送もバッチリ聞こえます。

 車内放送と言えば、車掌さんの案内放送のほかに、岐阜高校ESS(英語研究部)の生徒さんによる観光案内放送がありました。車窓のポイントごとに放送で教えてくれてありがたいです。


HC85系ひだ1号からの車窓。飛騨川は右に左に移り、左右どちらの席からも渓谷美を楽しめる

HC85系ひだ1号の車内。飛騨の民芸品を展示していた

高山盆地に入った。ひだ1号終着駅の高山はもうすぐ

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