WHOテドロス事務局長めぐるミスリードな動画拡散 ワクチンを「打っていなかった」?→普通に打ってた(1/2 ページ)
海外で拡散された動画が輸入された形でした。
WHOのテドロス・アダノム事務局長がCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のワクチンを接種していなかったとミスリードするツイートが拡散されています。なお、テドロス氏は2021年5月にワクチンを接種済みです。
拡散されているツイートは、テドロス氏のインタビュー映像の切り抜きに第三者が日本語字幕を付けたもの。「テドロスは打っていなかった」という表題と共に、「あなたの最初のショット(接種)はいつですか?」の質問に対し、テドロス氏が明確な接種時期を回答しない様子が切り取られています。
この映像は米国の動画配信サービス「HBO Max」向けに製作されたドキュメンタリー「How to Survive a Pandemic(パンデミックを生き抜くには)」内での一幕。
テドロス氏がワクチン接種をした約1カ月後に撮影されたもので、同氏はアフリカなど貧しい国々へのワクチン供給が遅れていたことへの抗議として、WHO局長特権での早期接種は行わず、出身国であるエチオピアでの接種時期に合わせて接種をしたのだと説明していました。取材は米『サイエンス』誌の記者が行ったもので、インタビュー全文は同誌サイト上で公開中です。
日本で拡散された字幕付きの動画は、メッセージアプリ「Telegram」で英語とオランダ語の文章と共に投稿されていた動画(閲覧数8000回)を、動画サービス「Rumble」のユーザーが日本語字幕付きで再投稿(再生数2400回)し、それをさらにTwitterユーザーが転載(再生数18.4万回)したものでした。
この動画は海外でも8月ごろから複数のツイートなどで拡散されており、WHOは本件についてロイター通信の取材に対し「テドロス氏がCOVID-19の予防接種を受けていないという主張は誤りである」とコメントしています。
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