みんなの力で蒸気機関車「C56」を復活させよう! 1億円大井川鐵道クラファンの面白すぎる「返礼品」、実際に見てきました:月刊乗り鉄話題(2022年10月版)(3/3 ページ)
1日も早い復旧も! がんばれー大井川鐵道。
中でも変な返礼品「手形」、それはどなたかというと……?
もう1つ気になる、妙な返礼品があります。「名物広報 山本豊福が選ぶ秘蔵写真」です。
山本さんは大井川鐵道の広報担当者。私ら書き手はいつもお世話になっています。秘蔵写真は8枚セット、そして謎の手形付き。は、手形? 誰の手形なのよ? もしかして……。
「そうです。僕です。最初はサイン色紙にしようかと思ったんですけど、僕は字が得意ではないのでやめとこって」(山本さん)。
社長さんでもなく今回のクラファンプロジェクトリーダーの石久保光彦さんでもなく、広報の山本さん。いままで大井川鐵道で取材・ロケさせていただいたメディア関係者は、お礼の意味で参加しなくちゃダメでしょう。そういう枠なんですかね(笑)。
「いえいえ(笑)、返礼品の主体は秘蔵写真の方ですよ。私が入社した当時(1988年)からの写真を整理したら、今では見られない場所や風景の写真がたくさんあったんですよ。例えば、井川線の旧線と新線の入れ替え前ですとか、熊本からやってきた“C11形190号機”を陸揚げするところとか、当社の節目で押さえている写真があるんです」(山本さん)。
おお、それは見てみたい! ちなみに山本さんは大井川鐵道のSL取材にあたり、全国放送のテレビ番組で自ら出演して解説することもあります。静岡のテレビ・ラジオ出演も多数の有名人。ユニクロの企画「ご当地CM」に出演したこともあります。
この返礼品は数量無制限に設定されています。支援額は5000円。もしかしてすごい数になってしまうかも。大丈夫ですかー。手のひらの皮膚がすり切れて、掌紋や指紋がなくなってしまうかもデスよ?
「それでもね、皆さんのお気持ちをいただくわけですから、手形は印刷コピーでなんて手抜きはしません。1枚1枚、丁寧に押していきます。だから全て違う、世の中に1枚だけの手形が届きます。あ、でも、名前のハンコは作りましたけれど(笑)」。
……そんなグッとくる返礼品の数々、皆さんもいかがですか?
次回は、大井川鐵道が修繕するSL「C56形135号機」ってそもそもどんな機関車なの? の魅力に迫ります。
杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)
乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。日本鉄道全路線の完乗率は100%(2022年8月時点)
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