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東京国立博物館予算ひっ迫、ミュージアムグッズ購入は応援になる? 国立博物館・美術館の応援方法を担当者に聞いた(1/2 ページ)

何が応援につながるのか聞いてみました。

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 日本最多の89点の国宝を所蔵する、東京国立博物館(東博)。1月9日に文藝春秋が同館の財政がひっ迫していることを報じ、大きな話題になっています。公営の博物館や美術館が取り組む文化財の維持・保存を応援するには、どのような方法があるのでしょうか。同館の担当者に聞きました。


東京・上野の東京国立博物館本館(引用:東京国立博物館公式サイト

 東博の財政事情がネット上で話題になったきっかけは、同館の館長・藤原誠氏が文藝春秋に寄稿した「国宝を守る予算が足りない!」という記事。「国宝 東京国立博物館のすべて」などの特別展が盛況なのにも関わらず、世界情勢の変化から光熱費が高騰し、文化財を守るための費用が増加している現状。そして、国に補正予算の見直しを要望したもののかなわず、博物館の財政がひっ迫していることを訴える内容は反響を呼びました。

 Twitterでは、同館の状況を知った人から「博物館を応援したい」という声が高まる一方で、「公営の博物館・美術館では、ミュージアムショップや展示会グッズの収益を国に収めることになるので、応援にはつながらないのではないか」といった言説に注目が集まっています。お金を出して応援するなら、直接博物館や美術館の事業に役立ててほしいもの。ねとらぼGirlSide編集部は、こうした疑問について東京国立博物館広報に聞きました。

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グッズの利益が収入にならないのは「事実ではありません」

 来場者が購入することで一番気軽に応援できそうな「ミュージアムグッズ」。Twitter上で拡散している「グッズの利益が全て国に行ってしまう」という言説について担当者に聞くと、これは「事実ではない」とのこと。その上で、「グッズの売り上げの一部は当館の収入になりますので、ご購入いただければありがたいです」という回答が得られました。

 昨今では展示会の特別グッズがSNSで話題になることも少なくありません。魅力的なグッズを手に入れることで、文化財の保護につながるならすてきですね。

グッズ購入以外にも応援方法はあるの?

 とはいえ、グッズは来訪したときしか購入できないもの。継続して支援したいという場合や、遠方からも支援したいという場合にはどうしたらよいのでしょうか。

 東博では、博物館の「年間パスポート」のような、「友の会」「国立博物館メンバーズパス」の制度を設けています。こちらは、直接の寄付にはならないものの、同館の収入となります。

 担当者によると「おすすめのポイントは、当館の総合文化展(平常展)が何度でも無料でご覧いただけること。また、友の会は、特別展の無料観覧券(事前予約が必要な場合があります)を3枚差し上げます」とのこと。こちらは、東博の会員受付窓口のほか、オンラインでも入会可能。東博だけでなく、国立博物館4館(東京・京都・奈良・九州)の総合文化展も楽しめます。

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 この他、「友の会」「国立博物館メンバーズパス」と比べると額は大きくなるものの、個人で取り組める寄付制度「賛助会」も整備されています。「寄付会員制度として、賛助会がございます。寄付額5万円のシルバー会員、20万円のゴ ールド会員、100万円のプラチナ会員に分かれており、ゴールド会員からは特別展が無料となる等の特典がございます。なお、賛助会費は文化財の購入、修理など、博物館の根幹を支える活動に利用させていただいております」(担当者)。

 また、本館エントランス、本館17室、平成館エントランスと館内各所に設置された募金箱や、東博の公式Webサイトからは、任意の金額を寄付することも可能です。


東博館内に設置された募金箱

募金箱の横にはお礼の看板が

「ぜひ東博に足を運んでいただければ」

 担当者によると、文藝春秋の記事の反響は大きく、東博にはすでに寄付や応援メッセージが届いているとのこと。

 一方で、直接貴重な資料を見られることが博物館の醍醐味でもあります。「ぜひ東博に足を運んでいただければと思います。収入にもなりますし、何より職員の励みになります」(担当者)。

 国宝をはじめとする文化財は、失われたときに取り返しがつかないもの。日頃から興味を持つことが、今回のような財政難などの危機に立ち向かう力となります。

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 「東博への温かい応援ありがとうございます。これからも大切な文化財を守るとともに、より魅力的な展示やイベントを提供できるよう努力していきますので、応援よろしくお願いいたします」(担当者)。気になる展示やイベントがあったら、まずは足を運んでみるのも応援の大切な第一歩です。

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