「産休を取った人は2倍働け」実話漫画にあ然 弁護士に産休・育休で気をつけるポイントを聞いた(1/3 ページ)
ベリーベスト法律事務所の労働チームマネージャーを務める松井剛弁護士に取材しました。
2023年4月から、従業員が1000人を超える企業を対象に、育児休業取得状況の公表が義務付けられました。厚生労働省は「事業主は上司・同僚の理解も含めて育児休業を取得しやすい雇用環境を整備することが重要です」と呼びかけています。
一方で、産休や育休の取得に際しては、従業員が思うように休業を取得できないばかりか、なかには職場で思わぬハラスメントに遭ってしまうケースも存在します。そんな状況に陥らないためには、どうすれば良いのでしょうか。
この記事では、実際に東京都にある私立高校で起きた、産休に関するハラスメントをモデルにした漫画をもとに、ベリーベスト法律事務所の労働チームマネージャーを務める松井剛弁護士に産休・育休のポイントを聞きました(関連記事)。
無理な仕事を任され、別室に隔離されるように
漫画の舞台は、ある私立高校。女性教師のAさんは出産し、産休期間の6週間すべてを休業として取得しました。産休は言うまでもなく、労働者に与えられたあるべき権利のはずですが……。
学校には産休を取りづらくさせるような雰囲気があり、校長は「産休を取った者は人の2倍働かなくてはいけないな!」と語気を強める始末でした。Aさんは校長に無理な仕事を任されるようになりました。
任された仕事が1日で終えられなかったAさんは、校長から「始末書を書いて提出しなさい」と命令されました。Aさんは当日には終わらなかったものの、後日業務が終わったことを踏まえ、「始末書なんて、出せません!」と拒否しました。
この出来事の後、Aさんは担当していた授業やクラスの担任など、一切の仕事から外され、職員室でも席をほかの教職員から引き離されるように。ついに何の仕事も与えられないまま、4年半にわたって1人だけ別室に隔離されたうえ、5年あまりの自宅研修まで指示されてしまいました。
漫画のモデルとなったのは、2007年に東京地方裁判所で争われた「松蔭学園事件」。被害に遭った女性教員が人格権や自由権、名誉などが侵害されたとして、学校側に慰謝料の支払いを求め、東京地裁は学校側に慰謝料600万円の支払いを命じました。
企業によっては産休・育休が取得しづらいこともまだまだありますが、この事件は裁判にまで発展した最悪のケースと言えます。産休・育休に関してほかにはどのようなハラスメントの事例があるのか。松井剛弁護士は「ネガティブなことを言われる事例」が典型的であると語りました。
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三度見くらいしてしまいそう。
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