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「オメガ」「スウォッチ」社長がパワハラか 「バカじゃないの?」「レベルが低い」など“人格否定”発言 社員らが更迭を訴え(1/3 ページ)

50代の正社員女性Aさんがその被害を語りました。

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 「あんた、バカじゃないの?」――。「オメガ」などで知られる世界的な腕時計メーカー「スウォッチグループ」の日本法人、スウォッチ グループ ジャパンの社長にパワハラ疑惑が浮上しています。総合サポートユニオンが5月25日に開いた記者会見で、50代の正社員女性Aさんがその被害を語りました。

スウォッチ グループ ジャパン社長によるパワハラを訴えるAさん(撮影:上代瑠偉)

 Aさんは2008年、スウォッチ グループ ジャパンに中途入社。同社の全ブランドに携わる企業広報の部門で、マネージャーとして勤務していました。2021年3月に約10年ぶりに社長が交代になり、同年6月ごろから社長によるパワハラに遭っていたということです。

 すでに中央労働基準監督署は、Aさんが2021年9月ごろに適応障害を発症したとして、2022年11月に労災認定しています。中央労基署が労災認定したのは、「上司とのトラブルがあった」「正社員であるとの仕事上の差別、不利益取り扱いを受けた」の2点です。

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 上司とのトラブルについては「社長から執拗に叱責を受けていたこと」、仕事上の差別や不利益取り扱いについては「勤務状況を理由に業務改善プログラム(PIP)の対象者とされたこと」に関して労災認定。それぞれの心理的負担の強度は「比較的大きなものである」としています。

社長「あんた、バカじゃないの?」「レベルが低い」など発言

 具体的にどのようなパワハラに遭ったのか。2021年3月に社長が交代してから、Aさんは会議の席だけではなく、退勤後や休日に何度も電話を受け、暴言など執拗なパワハラを受けていた、とユニオンは指摘します。録音データによると、「あんた、バカじゃないの?」「能力、問題じゃない?」「レベルが低い」などの発言があったということです。

 「『バカ』『能力に欠ける』『失格』など人格否定する言葉の数々のほか、聞き取りが困難なほど声を荒げて怒鳴られる状態が続きました。入社15年、長い社会人生活、人生のなかで、あれほど強い叱責を受けたことはありません」(Aさん)

 「時間を問わずの電話、あるいは密室での執拗な叱責、ろくに話も聞かずに話を遮る……。電話が鳴るたびに動悸やめまい、過呼吸の症状が現れました。悪夢にうなされ眠れないなど、睡眠障害も出てきました」(Aさん)

「オメガ」や「ブレゲ」などで知られるスウォッチ グループ ジャパン(画像は公式サイトより)

 2021年8月、Aさんは社長のミスを責任転換され、社内評価で自身で初めてとなる平均以下の「C」と判定されました。加えて、同年9月にはPIPの対象に。その内容は数値目標などが明確ではなく、「社長の指示等を確実に理解する」「社長にタイムリーに正しい情報を報告・連絡・相談する」など曖昧だったにもかかわらず、解雇も視野に入れているものだったといいます。

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 Aさんは「人生初、解雇の可能性。そのショックは今でも忘れられません」と当時を振り返ります。その後も社長からの叱責は続き、ついには体調にも本格的に異変が現れました。

 「逆流性食道炎になりました。その後、心療内科を受診し、適応障害と診断されました。自分自身でも『私が精神疾患?』と信じられない気持ちでした」(Aさん)

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