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「オメガ」「スウォッチ」社長がパワハラか 「バカじゃないの?」「レベルが低い」など“人格否定”発言 社員らが更迭を訴え(2/3 ページ)

50代の正社員女性Aさんがその被害を語りました。

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社長によるバカ発言「思い返せば言われた」と人事部長

Aさん(撮影:上代瑠偉)

 Aさんは人事部に相談したところ、人事部長にないがしろに扱われるという二次被害に遭ったといいます。

 人事部長は「(「バカじゃないの」という発言は)受け止め方もあると思うんですよね。関係性も含めて」「要因は自分の中でもあります? まったく身に覚えない?」と、Aさんに原因があるかのように発言。

 さらに、「私も『バカじゃないの』と確かに思い返せば言われたかな」と自身も社長から同様の言動を受けていたと認めつつも、「気にしてはいなかったかな」と言い放ったというのです。

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 「前向きで健康が取り柄と自負していた私でしたが、社長と人事のせいでそれが崩れ去っていきました。パワハラは体と心を壊すと同時に、人の人生を狂わせます。決して許すことができない行為だと思っています」(Aさん)

 Aさんによると、他の従業員が社長からパワハラを受ける被害を見た事例もあるとのこと。加えて、社長交代との関係性やハラスメントの有無などは明らかになっていないものの、すでに社長が交代してから現在までに、各ブランドの事業部長11人のうち5人、そのほか9部署の部門長のうち5人が退職しているということです。

社長の更迭の必要性を訴え

スウォッチ グループ ジャパン(画像は公式サイトより)

 中央労基署は「上司とのトラブル」を労災認定している一方で、パワハラについては労災認定していません。その理由は精神疾患の労災保険を決定するにあたっての設計上の問題です。

 精神疾患の労災保険を決定するにあたり、労基署は発症日からさかのぼって半年間の出来事を調査します(参考:厚生労働省「精神障害の労災補償について」)。Aさんの発症は2021年9月とされており、同年10月以降のパワハラについては判断しません。

 Aさんは同年10月以降の録音データしか持っていないため、中央労基署はそれ以前の執拗さや激しさを踏まえて、「上司とのトラブル」のみ労災認定したのではないか、とユニオンは推測しています。

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 今後、ユニオンはスウォッチ グループ ジャパンに対して、パワハラの認定を求める方針です。さらに、パワハラの安全配慮義務違反による慰謝料の支払いのほか、社長の更迭、今後に向けたパワハラの再発防止策の必要性を訴えました。

スウォッチ グループ ジャパンによる回答【5月25日18時35分追記】

 ねとらぼ編集部がスウォッチ グループ ジャパンに本件について事実関係を問い合わせたところ、以下の回答が得られました。

 「労働基準監督署が、当該従業員の申請を検討のうえ、評価したことは承知しております。労働基準監督署としては、業務指導の範囲内で強い指導・叱責を受けた、また、業務改善プログラムの対象者となったこと等が当該従業員に心理的負荷を与えたと認定したが、パワーハラスメントに該当する事実は認めなかったと説明を受けております。
 また、当社は、人事評価において当該従業員の自己評価よりも低い評価はつけておりませんし、勘違いによる罵倒、担当外業務の責任追及も致しておりません。社長の日本語の理解不足による発言については、当該従業員に対して背景を説明のうえ、お詫びしております。
 現在、当該従業員が所属するユニオンとの間で解決に向けた直接協議中ですので、協議中の事項については、これ以上の詳細をお伝えすることは控えさせていただきますが、当社としては引き続き当該協議に誠実に臨むと共に、今後も職場におけるハラスメント防止措置を適切に講じて参ります」

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