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Amazon在庫切れ→他社が“相乗り出品”で高額転売 悪質業者と戦った老舗つまようじメーカーの「激闘の一部始終」(2/3 ページ)

大阪府の国産つまようじメーカー、菊水産業を取材しました。

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―― 気付いたあとはどう対応されましたか

菊水産業 別のページで転売されていた場合は、「この商品は違反です」といった報告ができるのですが、これはうちのページだし、このページ自体を報告してよいものだろうか? とよく分からなくて……それでなくとも入ってる注文の製造、発送業務に追われていましたので、時間だけが過ぎていきました。

当面の対策として、菊水産業が商品画像に交ぜていた警告文

 そして8月21日には転売業者は4社になっていて、一番表に出ている事業者が予約販売を始めていました。これはまずいと思い、Amazonのカスタマーセンターに問い合わせると、「菊水産業も予約販売の形を取ってください」と言われました。外箱の納期が確定してなかったため、余裕をもって9月下旬に予約販売するよう切り替えました。

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 ところが、こうした処理は通常なら15分程度で済むのに、いくら待っても反映されません。しばらくするとカスタマーセンターから「適正な価格設定に関するポリシーに違反するため出品を停止した」と連絡が来ました。もう一度問い合わせると、高額で出している事業者の商品を購入した人がすでに数人いたそうで、そちらが適正価格と判断され、私が付けた正規の価格は著しく安いために却下されたようです。

 「解決には購入可能な他社サイトの商品URLが必要」と言われましたが、その時点では全く在庫がなく、箱の入荷時期も分からない状態で、URLを用意することができていませんでした。そこで、証拠のために自社ECサイトで予約販売ページを用意しました。

―― その後「直接戦った」結果、転売はなくなったそうですが、どのような対応を取られたのでしょうか

菊水産業 出品者に直接、掲載取り下げを要請するメールを送りました。21日の17時半に全員に送ったところ22日の午前中には3件消え、お昼には全て消えました。普段から仲良くさせていただいているアパレルブランド「nakota(@nakotashop)」の社長から「うちは全て自社で対応しました」とリプライが届き、メールの内容を考えてくださるなど、DMでいろいろ教えていただけました。

 おかげさまで転売は消えましたが、Amazonでの審査がまだ終わっておらず、いまだに予約販売はできない状態です。このため、予約は引き続き自社ECサイトで受け付けています。

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―― 転売が原因のクレームや低評価などの被害はありましたか

菊水産業 弊社に直接クレームなどはきていませんが、「転売です、ご注意ください」というレビューが書き込まれていました。これはきっとこのページ自体が転売のページと思って勘違いされたかただと思います。

「転売です、ご注意ください」のレビュー

―― 今後に向けて何か転売対策を考えていますか

菊水産業 今回のような事態はそうそうないとはいえ、出品する側も守る対策が必要だとあらためて感じました。モール側の価格の設定方法や自社ECの強化などしていきます。

―― Amazonにはどのような対応を望んでいますか

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菊水産業 多くのセラーさん(販売者)がいるので、きっと毎日このような問題がたくさんあるんだと思います。証拠も大切だし、きっと私のような主張をうそで言ってだましてくる人だっているでしょうから、Amazonさんも判断に困るのもとても分かります。

私たちのように零細中小企業メーカーにとっては、ネット販売も重要な販路の一つです。何か商品を開発したとき、いきなり取引につながることなんてまぁないです。自社のECサイトに出したって知られることもなければ売れることもありません。そういうとき、大きなECモールさんはとても強い味方です。小さなメーカーが挑戦できる場所ですから、とても感謝しています。

セラーの評価システムも、日ごろの発送遅延や出店社都合のキャンセル率など、いろいろ考慮して判断されているとは思うのですが、うちのページに相乗りしていた事業者さんは評価もかなり悪くて、一方的にキャンセルしたりしていましたので、そういう変な事業者さんはしっかり監視してほしいと思います。私も忙しいので買い物はリアルよりもネットのかたが多いですから、最近はかなり気を付けて買い物をしています。

そして消費者の皆さんも誰が販売しているのか? どんな事業者なのか? 怪しくないか? など、注意して見ることも大切だと感じます。特に、急にネットやテレビで話題になった商品などは注意が必要だと感じます。

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