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ジャニーズ会見で記者が感じた“大きな課題” 広報がメディアを”たらいまわし”した過去…… ジュリー元社長「返事できなかったのは事実」(1/3 ページ)

会見は4時間12分におよびました。

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左から順にジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦さん、ジャニーズ事務所の新社長の東山紀之さん(撮影:上代瑠偉)

 ジャニーズ事務所は9月7日、同社の創業者である故ジャニー喜多川氏の性加害問題について、東京都内で記者会見を開きました(関連記事)。会見は14時から18時12分と、4時間12分におよびました。この記事では、会見のトピックとともに、記者が感じたジャニーズ事務所の課題を記します。

 当日の会場にはテレビ局や新聞各社、ラジオ局のみならず、ねとらぼをはじめWebメディアも含めて数多くの報道関係者が集まりました。報道関係者は記者、テレビカメラ、スチールカメラをあわせて200人以上とみられます。

 登壇したのは、ジャニーズ事務所の元社長である藤島ジュリー景子さん、同社の新社長に就任した東山紀之さん、同社の完全子会社であるジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦さん、弁護士の木目田裕さんの4人です。

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東山さんにも過去にハラスメント疑惑

(撮影:上代瑠偉)

 記者会見は、性加害問題に対する「外部専門家による再発防止特別チーム」による、調査報告書および提言を踏まえて開かれたもの。特別チームはジャニー氏が性加害を繰り返していたことを事実と認め、ジャニーズ事務所が出直すためにはジュリーさんが社長を辞任すべきであると訴えていました(関連記事)。

 これらの提言を踏まえ、冒頭ではジュリーさんと東山さんが性加害問題について事実と認め、ジュリーさんが辞任して東山さんが社長に就任すると発表されました。一方で、ジュリーさんは性加害問題の補償を進めることを理由として、取締役として残留し、100%保有する同社の株を手放さないことも明らかになりました。

 質疑応答のなかで特に注目を集めたのはジャニーズ事務所の圧力や忖度をめぐる、ジャーナリストの松谷創一郎さんによる質問です。ジャニーズ事務所が競合する音楽グループが「ミュージックステーション」(テレビ朝日)に出演できることや、退社した元ジャニーズ事務所のタレントがテレビ出演するなど活動を妨害しないことを明言するように求め、東山さんから「もちろんです」という言葉を引き出しました。

 続けて、松谷さんがテレビ局にジャニーズ事務所に対しての忖度は必要ないことを明言するように要求したところ、東山さんはこの点についても「必要ないと思っています」「ファンの人がいてこそなので、忖度とかそういうものが関係なく公平にいくべきだと思っています」と回答しています。

 また、度々質問が上がったのは、東山さんによる過去のハラスメント疑惑についてです。元ジャニーズJr.の山崎正人さん(ペンネームは木山将吾さん)が2005年に刊行した告発本『Smapへ―そして、すべてのジャニーズタレントへ』(鹿砦社)のなかでは、自身の下半身を露出して「僕のソーセージを食え」と発言するなど、東山さんによる複数のハラスメントがあったと訴えられています。

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 東山さんはこれらの疑惑について、当初は「僕は(性加害を)したことはないです」と回答していたものの、途中から「本当に覚えてないことのほうが多くてですね」「したかもしれないし、してないかもしれないというのが本当の気持ちですね」と、曖昧な回答に切り替えています。記者からは東山さんの社長としての資質を問う声も上がりました。

ジャニーズ広報に”たらいまわし”にされた

左はジャニーズ事務所の元社長の藤島ジュリー景子さん(撮影:上代瑠偉)

 ねとらぼ編集部では、性加害問題をめぐるジャニーズ事務所によるメディア対応の変化について、ジュリーさんに質問をしました。背景には、英BBCが報じる以前の11月中旬、カウアン・オカモトさんがジャニー氏による性加害をYouTube上で告発したことを受け、ジャニーズ事務所の広報に事実関係などを電話で問い合わせた際の苦い経験がありました。

 その時点ではまだBBCもジャニー氏による性加害について報じておらず、世間のまなざしも厳しくなかったことも関係しているのか、広報担当者にジャニーズ事務所のファンクラブ運営元「ジャニーズファミリークラブ」に電話するように言われるなど”たらいまわし”にされたうえに、指定されたFAXを送っても回答が得られなかったのです(関連記事)。

 このような当時の状況に軽く触れたうえで、その後のメディア対応の変化について聞くと、ジュリーさんは「当時、私どもで取材に関するお返事ができなかったのは事実でございます」と認めたうえで、次のように回答しました。

 「その後、いろんなメディアのみなさまから、この件に関してご質問をいただくようになり、今までの私どもの対応に不備であったかことを反省しまして窓口を広げること、可能な限りきちんと回答することを社の方針として、私が指示させていただきました。まだ足りてはいないと思いますが、(BBCの報道後である)この春ぐらいからはある程度の形はできるようになってきたと思っております」

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