ハロウィーンの“ランタン”、もとは「カボチャ」じゃなかった 昔主流だった“意外な材料”とは?(1/2 ページ)
見た目が、こわい……。
日本でもすっかり定着した感のあるハロウィーン。ハロウィーンは、もともとヨーロッパのケルト民族の行事だといわれます。彼らが1年の終わりとみなしていた10月31日には死者の霊が訪れるとされ、そこから転じて悪霊に危害を加えられないように仮装をしたり、魔除けのランタンを灯したりする習慣が生まれました。
ハロウィーンのランタンといえばカボチャがおなじみですが、かつては“カブ”で作るのが主流でした。カボチャ製になったのは、ヨーロッパの人がアメリカに移住した結果、アメリカで多く生産されていたカボチャを使うようになったためだといわれます。
ちなみに、カブのランタンは、天国にも地獄にも行けない亡者がカブに憑依してこの世をさまよっている姿、またはカブのランタンを頼りに安息の地を求める姿であるとされます。秋の夜長にいきなりのホラー展開……。
なお、昔ながらのランタンに使われるカブは、ルタバガといいます。カブと同じアブラナ科であるものの本来は別の種類ですが、この野菜でランタンを作る地域では、カブといえばルタバガを指すほどポピュラーな植物です。
ハロウィーンのランタン1つにも、その土地土地の人々の文化や暮らしが反映されているのですね。
※画像協力:日本ハッピーハロウィン協会
参考文献
小学館『日本国語大辞典 第二版』より「ハロウィーン」
平凡社『改訂新版 世界大百科事典』より「スウェーデンカブ」
※いずれもネットアドバンス「ジャパンナレッジ」によるオンライン版
辻原康夫監修『日本と世界の祭り』(小学館 2016年10月)
文:近藤仁美(こんどう・ひとみ)
クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。日本テレビ系「高校生クイズ」「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」など、各種媒体に問題を提供する。クイズの世界大会「World Quizzing Championships」では、日本人初・唯一の問題作成者を務める。
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