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コメダ珈琲店の“とろみ”つきコーヒーに称賛 飲み込みに不安がある高齢者のために2年半以上かけ開発(1/2 ページ)

介護職の人から「コメダでおいしいとろみコーヒーを作ってくれないか」と相談されたことが開発のきっかけ。

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 コーヒーがとろとろしてる……? コメダ珈琲店が介護向け食品として販売する“とろみのあるコーヒー”が「素晴らしい」と先頃SNSで話題を呼びました。開発の背景などについて取材しました。

コメダ珈琲店のとろみコーヒー(画像はコメダ珈琲店のECショップから)

 コメダの「とろみコーヒー」は、お湯で溶かして飲むタイプのコーヒー。とろみ剤を使っており、通常のコーヒーとは違って「サラサラ」ではなく「とろとろ」となっています。えん下(食物などを飲み込むこと)に不安を持つ高齢者のために開発されたものです。

 高齢でえん下機能が低下すると、水分や食物が誤って気管に入ってしまう「誤えん」が起き、むせてしまったり、誤えんしたものと一緒に細菌が気道内に入って誤えん性肺炎を引き起こしたりする場合もあります。さらさらした飲み物は流れが速くて飲み込みにくいため、えん下障害のある人は安全に飲めない恐れがあります。

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 高齢になり、好きな飲み物を安全に楽しめなくなってしまう――とろみコーヒーはそんな背景から、コメダとコーヒー商品などを手がける石光商事が、摂食嚥下リハビリテーション学などを専門とする朝日大学の谷口裕重教授の監修を受け、2年半以上かけて開発しました。

コメダ珈琲店のとろみコーヒー(画像はコメダ珈琲店のECショップから)

開発のきっかけは

 開発のきっかけをなったのは、コメダの開発担当者が、介護職の従事者から「コメダでおいしいとろみコーヒーを作ってくれないか」と相談されたこと。高齢化でえん下機能が低下する人が年々増える中、ひとりでも多くの人にいつまでも安心して飲んでもらえるコーヒーを届けたいという思いで開発したといいます。

 「コメダの名を使う以上、おいしいものを作るように」。開発者の提案に対して、社内からは発破をかけられたそうです。

 開発に2年半以上をかけたとろみコーヒーは、コメダ珈琲店と同じ「アラビカ種」のブラジル産の豆を濃く抽出。とろみ剤には、お湯で溶かしてもダマになりにくくなめらかで、コーヒー本来のおいしさを邪魔しないものを採用したといいます。

 開発に当たって最も工夫した点を聞いたところ、「おいしい」にこだわったところだとコメダは回答。「コメダ珈琲店が販売するとろみコーヒーだからこそ、おいしさには、とことんこだわりました」(コメダ)。普通のインスタントコーヒーにとろみ剤を入れるとコクや苦みが逃げるため、何種類ものコーヒーを試作し、いくつものとろみ剤の組み合わせを試しながら、コメダ珈琲店の味に近づけていったとしています。

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 とろみコーヒーは2022年11月に通販などで発売。「飲み込みに不安を感じられているお客様や、そのご家族様から、簡単においしく作れてうれしいといったお言葉をいただきます」(コメダ)と好反応とのこと。

今後の展開

 とろみコーヒーの販売はコメダのオンラインショップなど通販サイトが中心で、一部の薬局・ドラッグストアでも取り扱っています(公式オンラインショップでは1箱15杯入りが1900円)。介護用品のカタログへの掲載など、販路は徐々に広がっているといいます。店舗の常設メニューへの導入については「将来的には、全国のコメダ珈琲店でのメニュー提供、物販販売を目指しています」と前向きに検討しているようです。

 今後、コーヒー以外にもコメダのメニューから介護向け食品が登場するのでしょうか? その質問には次のような回答がありました。「今後も幅広い世代のお客様に、コメダ珈琲店を楽しんでいただけるよう、世の中のニーズに合わせた商品を開発していきたいと思います」

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