能登半島地震でX(Twitter)の“インプレゾンビ”あらためて話題に SOS情報をコピペ、公共情報のリプライ欄を埋め尽くすなど救助を妨害(1/3 ページ)
「海外企業の無料SNSをインフラにしてしまったことが問題」との意見も。
2024年1月1日に石川県能登地方で発生した「令和6年能登半島地震」について、X(Twitter)の“インプレゾンビ”があらためて問題視されています。SOSツイートをコピペしたり、公共の情報投稿のリプライ欄を埋め尽くすなど、救助の妨害となる投稿が多数投稿されたため。
インプレゾンビとは
インプレゾンビは、Xから広告収益を得ることを目的としたbotアカウント群のこと。拡散されているツイートのリプライ欄で大量のリプライを投稿する、いわゆるスパム行為を行っています。多くは青いチェックマークの付いた、「認証アカウント」なのが特徴。
以前は無意味な文章や絵文字のみの文章を投稿するものが大半でしたが、最近はトレンドに入っているハッシュタグや、拡散されているツイートのコピペを投稿するものも増加してきました。
こうした投稿でインプレッション(閲覧数)を稼いで広告収入を得ようとしてくることから、いつの間にかインプレゾンビと呼ばれるに至ります。これら“インプレゾンビ”はリプライ欄を埋め尽くすため以前から問題視されていましたが、その影響がいかに深刻なものであるかがあらためて取り沙汰されています。
地震でインプレゾンビの影響が深刻化
今回の地震では家屋の倒壊で取り残されるなど、現地から多数のSOS投稿がXに投稿されました。しかし、これらのSOS投稿にインプレゾンビが現れ、結果的に救助情報のやりとりを妨害しています。
さらに、拡散されているSOS情報をそのままインプレゾンビアカウントがコピペして投稿し、そもそも誰が助けを求めているのかや、救助済みなのか現在も助けを求めているのかが分からなくなる、SOSのハッシュタグそのものが使い物にならなくなるなど、深刻な影響をもたらしました。
SOS以外でも、公共の避難情報や、防災情報を配信するアカウント「特務機関NERV」の投稿にもインプレゾンビが登場。情報のやりとりを妨害しています。
この状況にXでは「SOSとかのタグで検索すると分かるけど、現状ゾンビのせいで使い物になってないです」「インプレゾンビが助けを求めてSOSのハッシュタグつけて拡散されてバズってるツイートをコピペしてインプ稼ぎしてるっていう地獄が形成されてる」「SOS情報までインプレゾンビに使われてるの、X終わってるね。こうなるとそもそも誰の話か、元から本当の話かすらわからない」「マジのSOSポストまでインプレッゾンビと思われて凍結されかねない」「人間の声出して獲物呼ぶ化け物かよ」など、現状を嘆く声や危機感を募らせる声が寄せられています。
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