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軍艦の「戦時中」と「現在」を1つのジオラマで表現 模型コンテスト優勝作品が心を震わすクオリティ(1/3 ページ)

テーマ性も、船体の中身まで自作する技術も見事。

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 ある模型コンテストで1位に輝いた作品が、技術・テーマともに最高と好評です。軍艦「摩耶」の戦時中の姿と、沈没して現在海底にいる姿を半々で作り、1つのジオラマで同時に表現しました。

意味が分かるといろいろと考えさせられる、軍艦の過去(右側)と現在(左側)

前回優勝者が2連覇を果たした

 製作したのは、「吉本プラモデル部」が毎年開催している模型コンテスト「模コン」で前回優勝を果たした、とらはるく(@yukarin17sai)さん。2023年も、フジミのキット「1/700 FH23 日本海軍重巡洋艦 摩耶 フルハルモデル」をベースに、約1カ月かけて壮大なジオラマを作り上げました。

日本海軍の重巡洋艦「妙高」と海上自衛隊の護衛艦「みょうこう」を用いた2022年大会の作品「紡」。軍用艦と現用艦を、時代を超えて対比させる演出とテーマ性がすばらしい

 摩耶は日本海軍の重巡洋艦。1932年6月30日の就役以来、多くの作戦に参加するも、1944年に米潜水艦の攻撃を受けて沈没しました。2019年、故ポール・アレン氏設立の沈船捜索チームにより、残骸がフィリピン近海で発見された際は大きな話題となりました(関連記事12)。

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 とらはるくさんは製作にあたり、大胆にも船体を縦に2分割しました。内部の設備や人員に至るまで自作しています。

縦で分割されており、内部構造まで見られる

 そして、左舷は就航中の姿、右舷は海底に沈没した姿を演出。ジオラマベースも海面と水中で作り分け、摩耶の過去と現在を同時に表現しました。

生き生きした現役時代と、朽ちた現在の姿を、はっきりと作り分けている
実際は転覆して沈んだ艦首は、その勇姿を残すために、あえてイカリでつなぎ止めている
ともに沈んだ航空機の姿も

 「今も“そこ”に眠っている存在を語り継ぐ」「忘れてはいけない、繰り返してはいけない」といったテーマや、分割した船体を継いだ模型表現など、さまざまな意味を込めて、作品は「継」と命名されています。とらはるくさんの技術や思いが凝縮された作品は吉本プラモデル部公式YouTubeの結果発表で、多くの視聴者や審査員の心を揺さぶり、見事2年連続で優勝を果たしました。

「継」は動画の11時間29分30秒ごろに登場。とらはるくさんの思いに感じ入った審査員のコメントは必聴です

 作品はX(Twitter)でも「2連覇おめでとうございます」「世界観、見せ方、工作全て最高」と大好評。「感動でもらい泣きしてしまった」「作品に込められた思いに涙が止まりませんでした」と、とらはるくさんに多くの賛辞が寄せられています。

 なお、とらはるくさんはXで製作記を公開。仕事の合間にコツコツ作業をするなど、完成させるまでの苦労の過程が閲覧できます。

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画像提供:とらはるく(@yukarin17sai)さん

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