顔はCG、声は生成AIの“リアル龍馬” ヤクルトのテレビCMに登場 CM業界でも進む生成AI活用(1/2 ページ)
ここまで来たか。
CGと生成AIで再現した「坂本龍馬」を起用した「Yakult1000」の新テレビCMが1月25日から全国で放送。坂本家も公認した生々しく動き、熱く語る“リアル龍馬”が見ものとなっています。
「Yakult1000」の新テレビCM「坂本龍馬」篇は、動乱の幕末期、日本を近代社会へ刷新するために奔走した坂本龍馬を主人公とし、1862年(文久2年)の土佐藩脱藩の道のりを描いた映像。
CMに登場するリアル龍馬は、公式に本人と認定されている6種類の古写真を基に、産毛や表情の変化、肌への光の当たり方などをCGで造形した顔と、1万以上の骨格と声のサンプルを基に顔・骨格・年齢などの情報から坂本龍馬の声の特徴を推定して生成した声、実際に「脱藩の道」(土佐から長州(現在の山口県)の下関へと至る道のり)で撮影した実写の役者の表情や動きなどの演技も取り入れながら制作されました。
顔の再現は、映画「竜とそばかすの姫」のCGや、ドラマ「今際の国のアリス」のVXを手掛けたデジタル映像プロダクション「デジタル・フロンティア」が担当。現存する写真で把握できないアングルを補完するため、坂本龍馬を知る人が存命だった昭和初期に制作された桂浜(高知市)の銅像なども参考にしながら、頭髪の生え際や部位ごとに毛質の異なる産毛、肌の質感やライティングなどもかなり細かく造形され、映像中で坂本龍馬を演じた役者を3Dスキャンした表情を組み合わせています。
また、リアル龍馬の声は「ORENDA WORLD」が担当。1万以上のサンプルを基に、当時の坂本龍馬に近いと思われる声を生成し、そのデータをCGで造形した坂本龍馬の顔に組み込んで声を出力しています。なお、学習データの少なさから生成が困難だと思われる方言(土佐弁)は、土佐弁を話せる声優さんが発した声を、AIで再現した坂本龍馬の声質に変換する手法が採られ、抑揚のある土佐弁となっています。
この“リアル龍馬”は、歴史写真研究者で渋谷龍馬会共同会長の倉持基さんと、坂本龍馬のご子孫で坂本家十代目当主の坂本匡弘さんが時代考証/監修で参加。坂本さんは、坂本家に伝わる坂本龍馬の遺志、遺徳にふさわしいと認めたものは坂本家の「公認」とする考えを持ち、今回の“リアル龍馬”は、「坂本家としてもしっかりと意見を述べ、完成した顔や声に対して、また歴史観につきましても、事実誤認がないよう監修を務めさせていただきました。責任を持って坂本家公認とさせていただきました」として、「坂本家公認マーク」第1号の認定を与えたことを明かしています。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。