『セクシー田中さん』原作者のぶっちゃけに業界関係者間でも反響 「許可を得ずにやってはいけない」「リスクを持ち発言された」(1/2 ページ)
実写ドラマ化の条件「漫画に忠実に」守られなかったと原作者が主張。
漫画『セクシー田中さん』(小学館)の作者・芦原妃名子さんが1月26日に公式X(Twitter)アカウントを開設し、同作の実写ドラマ最終2話の脚本を自ら担当するまでに至ったいきさつを公表。自身としても悔いが残る結果を謝罪する内容がSNSで広く拡散され、自作の映像化経験を持つ漫画家、小説家、また脚本家といった業界関係者からもさまざまな意見が寄せられています。
原作者がドラマ化前に提示した条件が守られなかったと主張
芦原さんの投稿は、小学館サイドとあらためて確認した上で、実写化にあたり許可を出すきっかけから時系列に沿って詳細につづった内容。「必ず漫画に忠実に」を念頭に、「漫画に忠実でない場合はしっかりと加筆修正をさせていただく」「未完の漫画のこれからに影響を及ぼさない様『原作者があらすじからセリフまで』用意する。場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある」といった各条件を提示し、ドラマ製作サイドも同意した上で決まったことと説明しています。
しかし、制作の過程では漫画を大きく改編したプロットや脚本が何度も提出され、「当初お伝えした『ドラマ化の条件』はどうなってしまったのだろう?」と疑問を常に抱えた状態での加筆修正の繰り返しが続くことに。結果として9話と10話の脚本は8話までを担当した脚本家ではなく自身が書くことになったことを明かしています。
「何とか皆さんにご満足いただける9話、10話の脚本にしたかった」という芦原さんですが、連載の締切も重なったことで自身としても悔いがのこる結果に。「9話、10話の脚本にご不満をもたれた方もいらっしゃるかと思います。どのような判断がベストだったのか、今も正直正解が分からずにいますが、改めて、心よりお詫び申し上げます」とドラマ・原作ファンへ向け心境をつづりました(関連記事)。
関係者の見解は
芦原さんの投稿に業界関係者も次々と反応。自作が「霊媒探偵・城塚翡翠」(日本テレビ系)として2022年10月にドラマ化され放送された小説家の相沢沙呼さんは、直接言及はなかったものの自身のX(Twitter)へ「改変されて面白くなることもあるでしょうけれど、許可を得ずにやってはいけないと思います」「関わった人たちがみんな原作を愛していないかというとそうではないはずなので、なかなか難しいですよね」と投稿しました。相沢さんは自作の映像化に脚本家としても参加した立場です。
また、2023年10月に放送されたドラマ「18歳、新妻、不倫します。」(テレビ朝日系)の原作者・わたなべ志穂さんは同じ漫画家という立場から「芦原先生はとてもリスクを持ち発言されたと思います」とポスト。映像現場において原作者には「味方はあまりに少ない」と打ち明け、芦原さんの発信が肯定的に受け止められていることへ「救われた作家は沢山います」と感謝をつづりました。
その他『のだめカンターびれ』の二ノ宮知子さんや、『フリーター、家を買う。』の有川浩さんらは原作者サイドから、「鋼の錬金術師」(TBS系)といったアニメや、東映特撮作品に数多く関わる會川昇さんは脚本家の立場から、それぞれの意見や見解をSNSに投稿しています。
【1月30日10時00分更新】各種相談窓口を追記いたしました
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