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多くの持病を抱え11歳で介護が始まったワンコ…… “永遠の愛をくれた”愛犬を守るために奮闘した日々(1/3 ページ)

「ペットの介護エピソード」第10回はキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのリリィちゃんです。

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 近年、飼い主の「ペットは家族の一員である」という意識が高まり、ペットに対しても健康で長生きできるように、生態や習性に合わせた適切な飼養管理が行われるようになってきました。生活環境や栄養状態の改善、ワクチンや駆虫薬の普及、獣医療の進歩などさまざまな要因で、ペットの平均寿命が延びています

 「一般社団法人ペットフード協会」による「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」では、犬の平均寿命は14.48歳、猫の平均寿命は15.45歳。10年間で犬は0.58歳、猫は1.05歳寿命が延びています。成犬・成猫は1年で人間の4歳分の年齢を重ねるといわれており、大きく寿命が延びていることが分かります。

 寿命が延び、愛するペットとともに長く暮らしていけることはとても幸せなことですが、長寿化ゆえに新たな課題も発生しています。それは加齢により生じる体の不調です。

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 ペットも人間と同じで、歳を重ねるにつれ体力や免疫力が落ち病気にかかりやすくなったり、足腰が弱ってきたりします。それだけでなく、認知症や寝たきりになって、人と同様に介護が必要になるケースも。もちろん加齢だけでなく、病気やケガなどが原因で介護が必要になることもあるでしょう。

 そこで、ねとらぼ生物部ではペットを介護した経験のある読者にアンケートを実施。寄せられた数々のエピソードと写真を紹介するとともに、介護の現実や厳しさだけでなく、その経験から生まれるペットへの深い愛情や命の尊さを伝えていきます。


リリィちゃん

第10回 キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの「リリィ」ちゃんと飼い主のそらさん

―― 介護が始まったときのペットの年齢と、きっかけを教えてください

 元々、先天性の持病(膝蓋骨脱臼、股関節不全、心臓弁膜症、心臓肥大)を抱えていたので、加齢とともに症状が重くなっていき、11歳から介護が始まり12歳で虹の橋を渡るまで続きました。

―― どのような介護をしていたのでしょうか

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 筋力も衰え歩けなくなってしまったほかトイレが自分でできなくなってしまったので、介助をしていました。


美しい横顔

―― 介護する中で一番大変だと感じていたことを教えてください

 歩けなくなってから24時間ずっとほえ続けていたので、私自身も夜眠れなくて寝不足になってしまったことです。寝ないと自分の健康も保てなくなってしまうので、「眠れなくてもいい体だったらよかったのにな」とこのときは心底思いました。まず自分が元気でなくては、愛犬のお世話ができなくなってしまうので……。


にっこり笑顔がステキです

―― 介護生活のなかでの学びや気付いたことがあれば教えてください

 床は段差がないバリアフリーがいいなと思いました。家は段差が多かったので、その分愛犬に大変な思いをさせてしまったし、自分自身も移動の際に苦労して痛感しました。介助用の洋服やクッション、ベッド等、介助道具は本当に助かりました。

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 また、介護に向き合うのは一人では大変なことです。私自身、一つ一つが試行錯誤の連続でもありました。そういったときに、サポートしてくれる人、相談できる人や場所があることの大切さも学びました。

 愛犬は、持病をたくさん抱えていたため外でのお散歩中は興奮させないよう周りに気を張り巡らせていました。愛犬がお空へ旅立った後に、黄色いリボンを付けることで「様々な理由から近づかないでほしい」ということを周囲へお知らせできる「イエロードッグプロジェクト」の存在を知り、もっと早くに知っていたらなと強く思いました。

 どんなワンちゃんも安心してお散歩ができるように、現在、私は「みんなのイエロードッグプロジェクト」のボランティアスタッフとしてお手伝いをさせていただいています。


アンニュイな表情

―― 介護生活の中で心掛けていたことがあれば教えてください

 愛犬が少しでも穏やかにいられるように、それを第一に考えていました。

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かわいい……

ひなたぼっこ中

―― 介護していたペットへの思いを教えてください

 渦中にあるときは、一人涙を流したこともあります。ですが、今となっては全てが愛おしく、介護させてくれてありがとうという感謝の思いでいっぱいです。私一人では経験出来なかったこと。あなたは私の誇りです。たくさんの愛を、永遠の愛を、本当にありがとう。


うれしい気持ちが伝わってくる1枚

ゆったりと寝そべって

―― 介護中の方へのアドバイスがあれば教えてください

 ペットと触れ合える時間、その温もりを大切に過ごされてください。

(了)

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そらさん、ありがとうございました

 少しでも健康で長生きしてほしいからこそ、介護に全力を尽くし、自身の生活や心身に大きな負担を掛けてしまう飼い主さんも少なくありません。状況によってはペット介護サービスを利用する、同じく介護をしている人たちと情報を共有するなど、1人で抱え込まない環境づくりも大きな助けになるでしょう。

 これからペットを迎えようと考えている人や、現在介護の必要がない飼い主さんは、健康寿命を伸ばす対策をする、介護の知識を取り入れるなど、少しずつ準備を始めておくと良いかもしれません。介護も含めて大切なペットとの一生です。その時間も愛せるようにペットと寄り添い続けていきたいですね。

 ※「ペットの介護エピソード」の応募は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました!

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