「これは……」 SBI証券のiDeCo加入者数グラフに「印象操作」と批判 → パンフレット差し替えへ(1/3 ページ)
SBI証券に今後の対応などについて取材しました。
SBI証券が利用客に配布する資料内のグラフに、数字をよく見せるための不適切な加工が施されているのではないか、とSNS上で批判が寄せられています。ねとらぼ編集部がSBI証券に今後の対応などについて取材したところ、適切なグラフを記載したパンフレットに差し替える予定との回答が得られました。
物議を醸しているのは、SBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)を解説する「イデコ開設ガイド」。iDeCoの加入者数推移(累計)を表すグラフでは、2019年3月~2022年11月の加入者数が示されています。同グラフでは、縦軸の加入者数の目盛りが250万人までは50万人刻み、260万人以降は10万人刻みにもかかわらず、いずれも等間隔の目盛りが引かれていました。
国民年金基金連合会が運営するiDeCo公式サイトによると、最新2023年12月のiDeCo加入者数は約317万4000人。厚生労働省が同年9月に発表したプレスリリースには、加入者数の推移を表したグラフが添付されており、加入者数は年々増加傾向にあることが分かります。SBI証券が掲載したグラフも同じく増加傾向を示しているものの、2022年中に急増したような誤った印象を与えるのではないかといった指摘が寄せられています。
SNS上では、SBI証券のグラフに対して「これはひどい」「印象操作グラフ」「流石にこれは……」「こういうのなんで誇張しようとするのか理解できない」など、批判の声が広がっています。
SBI証券「配慮が欠けていたと反省している」
ねとらぼ編集部がSBI証券の担当者に取材をしたところ、担当者は「当該グラフは国民年金基金連合会が公表するデータをもとに業界全体の伸びを示すものとして作成しており、横軸の対象期間が均等でないことを考慮して縦軸を設定いたしました」と背景を説明。
続けて、SNS上での批判の声を受け、「結果として、誤解を招かない適切なグラフの見せ方(例えば、それまでの年単位グラフに加えて月次グラフを追加する、グラフに何らか波線を入れる、フォーカスしたグラフである旨明記するなど)に配慮が欠けていたものと反省しております。なお、業界全体や当社の伸び率をよく見せようという意図はございません」とコメントしました。
今後については、「速やかに適切なグラフを記載したパンフレットに差し替えする予定でございます」と述べています。
なお、グラフの加工をめぐっては、東京都福祉局が福祉業界の労働環境を発信する特設サイトに掲載された「有給取得率」の推移を示すグラフを巡って、2月に批判が殺到。都福祉局の担当者は同月6日、ねとらぼ編集部の取材に「福祉の仕事の実態をわかりやすくお伝えするため、国が実施する就労条件総合調査の結果をグラフ化しました」と説明し、指摘を受けグラフを修正したと回答しています(関連記事)。
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