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高校の課題で作った「ガイコツ」の絵本がセンス抜群 「素敵な話」「本にして売ってほしい」と話題に(1/3 ページ)

高校生の頃作ったってマジか……。

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 日々を幸せに過ごすガイコツを描いた絵本が、X(旧Twitter)で話題を呼んでいます。投稿者はマウス・オブ・ザ・デッド(@totomo_diamond)さん。高校生の頃、美術の課題で制作したという絵本「ガイコツ君は幸せ」を投稿するとたちまち話題になり、最初の投稿には17万以上の「いいね」(記事執筆時点)が付いています。


表紙のガイコツ君もハッピーな雰囲気

 絵本は、表紙・背表紙を除いて全19ページ。自分の首を抱えて座っているガイコツ君の絵と「ガイコツ君は幸せ」という言葉からスタートします。

 ガイコツ君は車にひかれてしまっても、拾ってくれる人がいてすぐ元通り。ハロウィンやメキシコでは人気があり、カロリーも気にすることがなくとても幸せそうに見えます。

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 しかし、読み進めていくうちに、ガイコツ君にも嫌なことをされたり、苦手に感じることがあったりすることが分かっていきます。それでも誰かを責めることなく、「自分は生まれながらのガイコツだから仕方ない」と考えるガイコツ君。とはいえ、悪いことが続くと骨しかないことや自分の見た目が気になってくることも……。

 雨の中落ち込むガイコツ君ですが、傘を差しかけてもらったことでまた幸せな気持ちに。幸せな気持ちになる「いいこと」をずっとそばに置いておけばいいのだと考えたガイコツ君は、傘を差してくれた人と末永く幸せに暮らしたのでした。

 作中には、大きく身を乗り出した骸骨が描かれた歌川国芳の浮世絵「相馬の古内裏」や、頭蓋骨と共に描かれることの多い「マグダラのマリア」、映画『ターミネーター』のT-800など、骸骨を想起させるさまざまなモチーフが散りばめられています。


最後のページも遠目に見てみると……?

 絵本を読んだ人からは「なにこれ最高」「これが才能なんだなって目の当たりにした気持ちです…」「手元に置いて、気持ちがしんどい時に読みたい」など称賛の声が上がっていたほか、「絵本として買いたい」「普通に書籍化してほしい」といった要望も出ていました。

 絵本を作った背景などについて、マウス・オブ・ザ・デッド(@totomo_diamond)さんにお話を聞きました。

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――美術の課題とのことですが、どういう課題だったのでしょうか?

マウス・オブ・ザ・デッドさん:高校3年生の終わり頃の課題で単刀直入に「絵本を作る」というものでした。 

――完成までにどれくらいの時間をかけていたのでしょうか?

マウス・オブ・ザ・デッドさん:凄まじいギリギリ体質なので提出の3日前とかに作りはじめて、前日かその朝に一気に仕上げた記憶があります。字が汚いのが当時の状況を物語っていると思います(笑)

――当時の評価はどうだったのでしょうか?

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マウス・オブ・ザ・デッドさん:当時不登校で学校に行ってなかったのですが、友人から「美術の先生がめちゃくちゃ喜んでた」という話をあとから聞かされました。学校に行ってはないものの友達は多かったので、周りからも普通に褒められましたね。

――Xでの反応で印象に残ったものなどはありますか?

マウス・オブ・ザ・デッドさん:「当時不登校だった」と書いてしまったのもあり、反応してくださった多くの方がこの絵本に対して何かメッセージがあるという風に感じてくださったようなのですが、残念ながら思い付きの産物でして、当時は特に深い意味もなく正直適当に話を作りました。

 しかし、実はここ数年自分に発達障害という診断がおりまして。友人知人にそれについてとやかく言われることもなく普通に過ごしていたんですが、最近、はじめて差別的な目線を向けられ、それが信用していた身近な人からのものだった、というショッキングな出来事がありました。

 私の周りが特別精神年齢の高い人たちばかりだったのかもしれませんが、どんな人からも批判的な偏見の目というのは向けられたことがなかったので「差別」がこんなに悲しいものだと生まれてはじめて知ったんですよね。

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 その経験をしてからこの絵本を読み返すと、自分で作ったものだからそんな意図はないと分かっているはずなのに、なぜかちょっと感動してしまって。

 何より皆さんもそういうメッセージがあると汲み取ってくださったみたいですし、今後は「深い意味はない」ではなく、「優しい世界」を公式解釈としていきたい所存です(笑)


 多くの人が注目する「ガイコツ君は幸せ」。マウス・オブ・ザ・デッドさんによると、出版社の人から連絡があり、絵本として世の中に出回る可能性も出てきているそうで、今後の展開からも目が離せません。

※作品提供:マウス・オブ・ザ・デッド(@totomo_diamond)さん

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