空白のアンケート用紙、よく見ると…… 水族館のお客さんと飼育員さんのやりとりが粋(1/3 ページ)
気がつくと「!」となる。
大阪市の水族館、海遊館のお客さんと飼育員さんのやりとりがX(Twitter)で紹介され、“粋”だと話題になっています。投稿は記事執筆時点で366万回表示を突破、7万4000件を超える“いいね”が寄せられています。
Xユーザーのあすみん(@iceki_asumin)さんが投稿したのは、海遊館の奥の方にひっそりと展示してあったというコーナー。「あなたの“してん”を教えてください」「あなたにとって“旅”とは?」と印刷してある用紙に来館者が記入すると、海遊館のスタッフさんがコメントを返してくれるという趣向です(※現在、展示は終了しています)。
掲示してあるものを見ると「旅とは思い出。旅の行き先は水族館があるかどうか」と書いた人に、スタッフさんが「ステキです」とコメントするなど、コミュニケーションの場になっています。
ただ、写真の中央にある用紙には来館者による文字の記入はなく、スタッフさんの「紙ヒコーキを作ろうとしていますね。旅といえば飛行機ですよね! 飼育スタッフA」というコメントのみ。「どういうこと?」と思ってよく見ると、用紙に折れ線があり、紙ヒコーキを折ろうとした跡であることが分かります。
この用紙を折った人が「旅といえば飛行機」と思って折ったのかどうかは分かりませんが、記入がない用紙から想像を巡らせて回答をしてくれたスタッフさんは確かに粋です。
コメント欄には「何も書いてないと思ったら紙ヒコーキに気付くお互いの感性がすてき」「人生は紙飛行機ってAKB48の歌にあったけど、旅=紙飛行機=人生ってつなげていくとなかなかに詩的」といった声が寄せられています。
ねとらぼ編集部が海遊館に聞いたところ、このコーナーは2022年7月~2024年1月の期間で開催した特別展「視点転展」の一展示として実施していたもの。「視点の多様性」をテーマとした展示で、生き物たちが視て、感じている世界に触れることで、自分と生き物、または他の人との視点、感性の多様性を感じてもらう内容だったそうです。
その一環で、「あなたの視点を教えてください」のコーナーを設け、来館者に「あなたにとっての○○」に記入してもらい、スタッフさんが回答したものを掲示。同じお題に対する他の人たちの「視点」に触れて楽しんでもらうという主旨でした。お題は「あなたにとって海遊館は」からスタートし、展示内で取り上げていた「ペンギン」「クラゲ」「フジツボ」を経て、最後が「旅」だったといいます。
回答していたのは主に同展示を担当した飼育員。「粋」だと評判になったことについて、海遊館は「既に終わってしまった展示ですが、反響をいただけたことを嬉しく思います」とコメントしました。
画像提供:あすみん(@iceki_asumin)さん
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