出汁や具材を選べる“カスタマイズできるお雑煮”専門店が「行ってみたい」と話題 そのアイデアはどのように生まれたか(1/4 ページ)
「銀座もちふじ」の代表にお話を聞きました。
お餅は焼く? 出汁は? 具材は――? “カスタマイズできるお雑煮”が食べられるお店が、X(Twitter)で注目を集めています。
きっかけとなったのはXユーザーのカカオまめるしー(@kakaolove0420)さんの投稿。「東銀座に雑煮で喧嘩しなくて済みそうなお店出来てる」(「雑煮でケンカしてんじゃねーよ」という楽曲をもじったコメント)とポストした、お雑煮専門店「銀座もちふじ」(東京都中央区)のお店やメニューの写真が反響を呼びました。
「銀座もちふじ」では、お餅を「つきたて」「焼き」「揚げ」から選び、出汁を「かつおだし」「いり子だし」「白味噌」「赤味噌」から選び、さらに具材の野菜やお肉を選び……と、好みに合わせてカスタマイズできるお雑煮を提供しています(あらかじめ内容が決まっている定番メニューもあり)。
お雑煮は地方によってバリエーションさまざまで、人それぞれこだわりのある食べ物。それだけに、お雑煮をカスタマイズできるというコンセプトには「行ってみたい」というコメントが多く寄せられました。知らない地域の味を食べてみたいという意見や、「角餅がない」など自分が推す選択肢を望む声も。
なぜお雑煮なのか
銀座もちふじは、銀座の寿司店「銀座くろ寿」の代表・黒須法明さんが2月14日にオープンした新業態。できあがりから「3時間以内」のつきたてお餅にこだわっているといいます。なぜお雑煮なのか? 人気のメニューは? ねとらぼ編集部は黒須さんに聞きました。
寿司ではなくお餅の新業態をした理由について、黒須さんは新店のお知らせの中で「お餅が好きなんです」と述べています。また黒須さんの「食を通じて笑顔に貢献」という経営理念の大元にあるのが「父親の笑顔」であり、子どものころ、お正月に父親が磯部餅を笑顔で食べていた記憶が鮮明に残っていて、「その何気ない父親の笑顔が好きだったんですね。そこで『お餅』が出てくるわけなんです」――とお餅を選んだ背景についてつづっています。
では、いろいろあるお餅の料理の中で、なぜお雑煮なのか。黒須さんは「ズバリ、美味しいからです。(わたしが好きなんです)」と答えてくれました。また、ほかにない業態であり、これまで(の寿司店)と違う分野で事業を立ち上げる本来の独立であること、食品ロスが極めて少ないことも挙げています(生ゴミ処理機を使い、自社で生ごみを処理しているとのこと)。
「これからの飲食業で必要なのは、まず食品ロスを出さない事、働きやすい環境をスタッフに提供すること、伝統を重んじ、お客様にお料理をご提供し、喜んでいただけること。以上の観点から、お雑煮という料理を選択いたしました」(黒須さん)
「カスタマイズできるお雑煮」のアイデアがどのように生まれたか、黒須さんは「誰しも意見があるという事(笑)」と語ります。
「17年目になる小っちゃい寿司屋をオーナーシェフとして運営していると、見えてくるものがあり、食べたいものを好きなように食べたいと考えている方がいらっしゃって、いわゆる満足度をどのように上げたいのかを追求してゆくと『カスタマイズできるお雑煮屋』という落としどころになりました」と黒須さん。
寿司店(銀座くろ寿)も現在はコースのような形で提供しているものの、昔ながらのお寿司屋さんのように「『今日はこれがいいよ!』みたいにする」ことを夢見ているそうです。ただ食品ロスが多く、クオリティが下がるため、まだハードルが高いのだとか。
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