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交際が確認されたら強制下船 “船内恋愛禁止”の海運会社にルールの背景を聞いた(1/4 ページ)

社内恋愛はOK。でも航海中の交際は、いろいろと問題があるようで……。

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 社内恋愛はOKだけど、“船内恋愛”は禁止――。内航タンカー事業を手がける東幸海運@tokokaiun)の社内ルールがX(Twitter)で話題です。その背景や運用形態など、詳細を聞きました。

閉鎖空間で長期間臨むタンカーの業務。恋愛についてルールを設けておかないと、いろいろとうまくいかない事情があるようで……(画像は東幸海運公式サイトより)

 東幸海運は、6隻のタンカーを運航し、石油製品の海上輸送を行う海運会社です。社員88人のうち、女性は4人。タンカーの運航・操縦および油の積み込みと陸揚げ作業など、基本的に男女とも同様の業務を行っているといいます。

 閉鎖的な空間で長期間寝食を共にする以上、もしもスタッフ間に恋愛関係が生まれた場合は、全体の士気に影響するといった事態が想像されます。そのため、同社では社員同士で交際が始まった場合は、社へ報告するのがルール。以降は2人を別々の船に配属したうえで、長期休暇のタイミングが合うよう調整しているとのことです。

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 なお、同性愛などの前例がないだけで、船内交際はジェンダーにかかわらず禁止されています。もしもルールを破ったカップルは、次の港に着いた際に強制下船。男女がドアの閉まった部屋に入るだけでもアウト(同性でも恋愛関係ならアウト)と、その基準は厳密に決められているそうです。

 「船内恋愛ってどうなんですか?」といった質問を受けて、社内ルールの一部を公式Xが紹介したところ、ポストは広く話題に。「厳しそうですが、長い航海で船内の秩序を保つために仕方ないのですね」「仲が良い間はいいかもしれないけれど、こじれたら事故を誘発するおそれが」「長期休暇を合わせてくれるのは優しい」と、理解する声が目立ちます。

 その一方で、「プライバシーの問題に介入するのはいかがなものか」といった指摘も。編集部は、このルールがなぜ必要なのか、詳しい事情を東幸海運に聞きました。

―― 船内恋愛禁止の規則が生まれた背景を教えてください

東幸海運 当社では20年以上前に女性の船員を採用するに当たり、かなり徹底したルールが作られました。その際あがった課題の1つが、「男女が同じ船に乗って問題が起きたら逃げ場がない」でした。

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 当社の石油輸送業務では、3カ月を船上で過ごすことになります。それまでは男性だけの職場だったので、そこに女性の船員を受け入れてもらうためには、乗船中に可能な限り男女公平に働いてもらうしかないと考えました。

―― 具体的な条文はどのように決めたのでしょうか

東幸海運 乗組員の中には恋人や家族と離れて乗船している人も多く、そんななかで「船内で男女の仲になられたらたまらない」といった意見もあり、最初から船内での交際は禁止となりました。

 何をもってアウトとするのかについては明確な基準が必要と考え、男女が同室する場合は居室のドアを開放し固定することにしています。これは、やましいことがなければドアを閉める必要はないだろうという考えです。

 また、交際を禁止するだけでは両方の船員に会社を辞められてしまう恐れがあるため、「事前に連絡しておけば長期休暇の時期は合わせる」ルールもセットで作られました。

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―― 罰則などはどのような形態で運用されていますか

東幸海運 船内で恋愛関係が確認されると、会社に下船させるよう船長から依頼が来る流れです。もし規則が破られるようなことがあれば、速やかに当該乗組員を下船、または他船へ転船(異動)させることになります。

―― このルールは社内で周知されているのでしょうか? 社内からはどういう反応が寄せられていますか?

東幸海運 採用時の説明に加えて、数年に一度は適用されるケースが起こるので、知っているかたが多いと思います。当然のことだと思われており、当事者を含めて苦情が出たことはありません。


 東幸海運は20年以上に渡り女性船員が活躍しており、「性別をもとに特別扱いする文化はない」とコメント。「男女公平な採用活動を行っていますので、性別を問わずエントリーいただけたらありがたいです。国内のガソリンを運んでいる会社ですので、給油するときに『頑張ってタンカーで運んでるんだな』と思い出していただけたらうれしいです」と、ねとらぼの取材に答えました。

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協力委・画像提供:東幸海運@tokokaiun

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