「サッポロ一番」最大の謎が解明? メーカー側もよくわかってない「切り胡麻フォント」のレイアウトに関わったとする投稿に注目集まる(1/3 ページ)
「切り胡麻」だけなぜか筆文字。
あるX(Twitter)投稿者による「サッポロ一番」最大の謎とされる「切り胡麻」フォント誕生秘話が注目を集めています。
サンヨー食品により袋麺タイプのインスタントラーメンとして発売された「サッポロ一番」はその後、商品名を「サッポロ一番 しょうゆ味」とあらためられ、1968年には「サッポロ一番 みそラーメン」が、1971年には「サッポロ一番 塩らーめん」が発売されシリーズ化、さまざまな種類が開発され定番のロングセラー商品へと成長していきました。その「サッポロ一番 塩らーめん」の袋麺のパッケージ裏面にはある謎が隠されています。調理工程のある部分、仕上げのトッピングに使う「切り胡麻」の文字だけ、なぜか筆文字のフォントになっているのです。気が付きましたか?
ねとらぼ編集部がサンヨー食品に問い合わせると、「発売当初(1971年)のパッケージから使用を確認」しているとのことですが、「申し訳ございませんが、当時の担当者がおらず、理由はわかりません」との回答が。当時を知るものがなく、メーカー側もわからないまま今に至っているそうです。現在まで使われ続けている理由については、「商品に対するこだわりが感じられるため、大切に継承しています」とのこと。一方で、ほとんどパッケージのデザイン変更をしてこなかったことにも原因はあるんだとか。
このまま「切り胡麻」フォントの謎は謎のままかと思った矢先、冒頭の投稿者が現れました。かつてパッケージのレイアウトを担当したという投稿者のお父様によると「わかりやすいだろその方が」「というか普通の書体にするという考えがなかった」という“直感的どストレート”な理由だったそうです。
投稿したのはmuscadetH(@muscadeth)さん。ねとらぼ編集部が話を聞くと、投稿者のお父様が大手印刷会社の包装企画部に在籍していた当時、サンヨー食品とともにパッケージの監修の仕事をしていたというのです。オモテのデザインはデザイン事務所が作成し、ウラ面は印刷会社でレイアウトするという流れの中で、お父様がウラ面のレイアウトを担当。オモテ面にあった「切り胡麻」をコピーして、ウラ面の調理工程の場所に貼り付けたそうです。
投稿者のお父様によると、あの「切り胡麻」は「ロゴ」として作られており、「すり」胡麻ではなく「切り」胡麻なのもサンヨー食品のこだわりの部分だと理解していたといいます。「ひとつの製品並にスタンスが確立されている『切り胡麻』として受け取り、パッケージ制作当時あのようにロゴ化していても当事者達は何の疑問もなかった」とのことでした。期せずしてサンヨー食品の「商品に対するこだわりが感じられる」という部分に符合するものがあります。
お父様は現在、82歳。サンヨー食品との仕事は20代半ば〜30歳ごろとのことで、昔を懐かしみながら親子の会話で盛り上がったそうです。
ちなみに投稿者によると、「サッポロ一番 ごま味ラーメン」の「ごま」の文字は今は亡きお母様による筆字なんだとか。ほかにも「えぞ味」「きつねうどん」なども夫婦合作だったそうです。
お父様は30歳頃に印刷会社を退職し、お母様と結婚、出版社を立ち上げつつ、そのまま印刷会社の嘱託としてサンヨー食品との仕事を続けたと振り返ってくれました。今でもサンヨー食品リスペクトなお父様から、お母様もデザインに関わっていたことを知った投稿者は、仏壇に「サッポロ一番 ごま味ラーメン」を供えたそうです。
なお、当該の投稿についてはサンヨー食品も把握しているそうですが、前述したとおり「当時の事を知っている者がおらず、(サンヨー食品としては)真相がわからない状態」としています。
編集部の取材に、「『サッポロ一番』の魅力はそのまま調理・喫食いただいても、十分に楽しめる個性ある味わいでありながら、ちょい足しや食材を加えて調理する人の好みを受け止めるアレンジ性(味の懐の広さ)が魅力だと考えております」とサンヨー食品さんからオススメされました。食べます!
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