ニュース

子ども虐待の通報件数は9.2倍に増加、要保護児童数は4万人超も「受け皿が不足」 “もうひとつの待機児童問題”に挑む拠点建設プロジェクトが支援を募集中(1/3 ページ)

さまざまな機能を持つ複合的な施設です。

advertisement

 社会福祉法人「福祉楽団」がクラウドファンディングサイト「READYFOR」で、千葉県習志野市に新設する児童養護施設「実籾(みもみ)パークサイドハウス」の建設資金を募っています。


一時保護所から出られない子どもを生む構造

子ども虐待の通報件数は9.2倍に増加

 2002年からの20年間で子ども虐待の通報件数は9.2倍に増加(こども家庭庁「令和4年度 児童相談所での児童虐待相談対応件数」)、令和3年時点の要保護児童数(全体)は4万1773人であることが発表されています(こども家庭庁「施設入所児童の推移」)。

 命の危険があるなど生活が安定していないと疑われる子どもは「一時保護所」で保護されますが、その後、公的機関などのサポートを受けて親や保護者のもとへ戻る子どもは84%、児童養護施設や里親のもとで生活する子どもは16%です。首都圏の一時保護所はほぼ満員以上の状態で、「一時」であるはずの一時保護所での生活が長期化しているのが現実です。

advertisement

 一時保護所での定員超過や保護期間が長期化すると、十分なケアができず施設内でのトラブル増加につながる可能性があります。

子どもの安定した生活の基盤を

 児童相談所の職員だった藤堂智典さんは「子どもの安定した生活の基盤が必要だ」と考え、千葉県と埼玉県で特別養護老人ホームや訪問介護事業、放課後等デイサービスなどを行っている福祉楽団に働きかけ、公務員を辞めて一緒に働くことに。福祉楽団 実籾パークサイドハウスの施設長となりました。

 実籾パークサイドハウスは児童養護施設、一時保護所、子どものショートステイ、児童家庭支援センターなど、子どもが生活する場だけでなく、地域の子育てや里親支援などの機能を持つ複合的な施設。障害のある子どもを預かる放課後等デイサービスや、末期がんの患者を支援する看護小規模多機能型居宅介護、認知症のお年寄りが暮らすグループホームなども併設され、多世代で多様な人々が共に暮らす拠点を目指します。

 実籾パークサイドハウスで実現したいことの一例として挙げているのは「新品の下着・肌着の提供」「中学生・高校生のスマホ所持」「能力と意欲のある子どもの大学進学」など、子どもの「当たり前」と持てる力を発揮できる環境を保障すること。退所後にケアするソーシャルワーカーも常勤しており、いつでも帰ってこられる宿泊場所も用意します。

子どもたちに「おかえり」を伝えたい

 クラウドファンディングの第一目標は500万円、第二目標は1500万円、第三目標は3000万円。子どもたちに「おかえり」をみんなで伝えるため、児童養護施設6棟の玄関部を中心とする建設費に活用予定です。

advertisement

 支援のコースは3000円~100万円まで12種類。実籾パークサイドハウスのニュースレター送付、オンライン講演会への講師派遣(法人向け)、新施設お披露目見学会招待(法人向け)などのリターンが用意されています。

 期間は7月19日午後11時まで。目標金額の達成の有無にかかわらず実行者が寄付金を受け取るAll in 方式のプロジェクトです。

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」【大谷翔平激動の2024年 現地では「プレー以外のふるまい」も話題に】
  3. 友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
  4. 毛糸6色を使って、編んでいくと…… 初心者でも超簡単にできる“おしゃれアイテム”が「とっても可愛い」「どっぷりハマってしまいました」
  5. 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  6. 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  7. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  8. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  9. 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  10. 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】