【後編】日高里菜「(凜々蝶を)演じたい思いある」日笠陽子「またみんなと会いたい気持ちがすごく膨らむ」 「15周年記念 妖狐×僕SS・藤原ここあ展」でいぬぼくキャストが再アニメ化熱望(1/2 ページ)
これは長い長い時間のお話――。
藤原ここあ先生の代表作で、2024年に作品生誕15周年を迎える「妖狐×僕SS」(いぬぼくシークレットサービス/通称いぬぼく)の「15周年記念 妖狐×僕SS・藤原ここあ展」が2024年6月12日から24日まで松屋銀座で行われることを記念し、6月11日にメディア内覧会が行われました。
後編では白鬼院凜々蝶役の声優・日高里菜さんと雪小路野ばら役の声優・日笠陽子さんによるインタビューの様子をお届けします。
「妖狐×僕SS」とは――
藤原ここあさん原作で、スクウェア・エニックス刊『月刊ガンガンJOKER』で2009年から2014年まで連載された「妖狐×僕SS」。SS(シークレットサービス)つき最高級マンション「メゾン・ド・章樫(あやかし)」に入居した少女、白鬼院凜々蝶(しらきいんりりちよ)がそのSSとなる「御狐神双熾(みけつかみそうし)」と出会うことからストーリーが始まり、さまざまな妖怪の先祖返りたちと共に「これは長い長い時間のお話――。」をテーマにさまざまな物語を紡いでいきます。
2012年には日高里菜さん、中村悠一さんらの豪華キャストで待望のアニメ化もされ、国内外を問わず高い人気を集めています。
15周年記念 妖狐×僕SS・藤原ここあ展
松屋銀座8階イベントスクエアにて開催される本会では、作品生誕15周年を迎える「妖狐×僕SS」をメインに、藤原ここあ先生の作品を展示。
「これは長い長い時間のお話──。」をコンセプトに、15年という時を超えても色褪せることのない「妖狐×僕SS」の儚くも美しい世界を、漫画原稿やカラーイラスト、映像などを通じて体感できます。
――一般公開に先立って展示会をご覧いただいた感想はいかがでしょうか。
日高里菜:いぬぼくのことを本当に大好きな方々が作ってくださったんだなっていうのがすぐ分かるくらい、愛にあふれた空間続きでして。私自身、ストーリーを1章2章と章ごとに展示されているんですけれども、「懐かしいな」「こんなシーンあったなって」ほんと胸いっぱいになる本当に幸せな時間でした。本当になかなか見ることのできないようなレアな原画だったりとか、あと今回の展覧会用に作られたものだったりとかっていうのもたくさんあって、本当に見どころたくさんでした。
――日笠さんはいかがでしょうか。
日笠陽子:漫画の世界って上の中で平面の中だと思うんですけれど、その今回展示会にしていただいたことで、すごく立体的に表現してくださっていて、アニメーションとはまた別の、すごくいぬぼくの世界っていうのが表現されていて、本当にすてきな展覧会になっていると思います。キャラクターたちが出迎えてくれるんですけれど、私もすごく久しぶりにみんなに会えて、胸がいっぱいになってしまって。彼らの彼女たちのキャラクターたちの表情がすごく優しく出迎えてくれるんですよ、笑顔で。その表情にも私は本当に胸がいっぱいになりました。また会えたねって彼女たちに声をかけました。来てくださる方々も、きっとおんなじ気持ちなんじゃないかなと思います。本当にすてきな展覧会になっておりますので、ぜひ来てください。ありがとうございます。
――展示会の中でのおすすめポイントをお願いします。
日高里菜:いっぱいあるんですよね~! 本当に!
日笠陽子:ね! じゃあまず里菜から。
日高里菜:原作のでもそうですし、アニメーションの時にも大好きだった凜々蝶と御狐神くんとの文通のシーンがあるんですけれども、そのシーンがゾーンみたいになってて、入った瞬間、「この空間が」ってなって、しかもその展示の仕方というか、空間作りも本当にすてきなんですよ。なのでそこがちょっとぜひ生で見てほしいところです。
日笠陽子:私は相方をフィーチャーさせていただいて、うちの一反木綿くん(反ノ塚)。
日高里菜:いましたね。
日笠陽子:もうちょっとね、愛に溢れててさ。立体感というか、本から彼らが飛び出してきているみたいな表現が、もう一反木綿が。
日高里菜:あと、渡狸が愛されています。
日笠陽子:渡狸、ちょっと愛されすぎですね。
日高里菜:オブジェといいますか、あれは何ですか? フィギアというか、みんなが思っているフィギュアとも違う、ものがあります! あと、カルタもですね、結構ね!
日笠陽子:そこだけポップでかわいくて!
日高里菜:結構遊び心が満載だったりとか、本当にキャラクターそれぞれの見どころっていうか、見せ場といいますかがありますので。
日笠陽子:あと野ばらと蜻蛉が対の存在みたいになってて(笑)。ちょっとツッコミを入れてしまいました。
日高里菜:ちょっとそこだけはちょっと役にはちょっと変態チックなお2人なので、そんなちょっと変態ゾーンも。
日笠陽子:あそこ変態ゾーンって呼ばれてるの?(笑)。
日高里菜:はい(笑)。あとはやっぱり先生の生の下書きも展示されているんですよ!
日笠陽子:全部言ってるよ、里菜! 良いの!?
日高里菜:ダメかな!? いい感じに書いてくださいね(笑)。
日笠陽子:感動的だったもんね。
日高里菜:私たちもやはりなかなか見ることのないとか見れないレアなものじゃないですか。その原稿が結構たくさんありまして。
日笠陽子:それで今やっぱりデジタルの時代になってきているじゃないですか。今、デジタルで書かれている先生も多いと思うんですけども、生原稿。当時の15年前のものですので、原稿という紙という。その丁寧さといとおしさがそこに存在しているので、ぜひここも見どころですね。
日高里菜:あとでも映像だったりとかっていうのもそうですけど、音楽とBGMも全てにおいて本当に胸がぎゅっとなる、そして温かくなる、優しい気持ちになれるっていう、いろんな気持ちにさせてくれるんですよ。
日笠陽子:本当に声を入れてほしかったゾーンもあって。「(里菜に)アフレコして!」って2人で見ながら言っちゃうぐらい。
日高里菜:いぬぼくを好きなスタイリストさんがいらっしゃるんですけれども、(映像を見ていたら)声が(脳内)再生されたって言ってくれたのもまたうれしくて。来てくださる皆さんにそう思っていただけたらうれしいなと思ったりとか、本当に。
――アニメの放映から時間も経ちましたが、収録中の思い出などはありますか。
日高里菜:アニメは12年前になるんですかね、当時は17歳の高校生だったんですよね。で、やっぱり凜々蝶ってセリフ量が多かったりとか、あとモノローグのナレーションだったり、あと実際のセリフがあったりとかで、やっぱり自分の中で難しいな、どう表現したらいいんだろうってなっていた中、周りのキャストの皆さんが本当に支えてくれて。
それこそやっぱり今でもご一緒する度にあのときのアフレコ現場を思い出すんですけど、そのときは原作を常に単行本を持って行って表情を確認したりとかっていう作業をやったのも、やっぱり思い出すといいますか。それがやっぱり原作がとても丁寧にいろんなキャラクターの表情などを描いてくれているからこそのもので、安心するというか、すごくそれがやっぱり思い出に残ってます。
日笠陽子:私は結構最近すごくお姉さんキャラクターをやらせていただくことが多いんですけれども、当時12、3年前、当時は20代だったんですけども、そのときにお姉さんキャラクターの野ばらをやらせていただくっていうのが結構当時はめずらしくて。その何だろう、発掘していただいたというか。スタッフの皆さんに野ばらというのをやらせていただいたことがきっかけで、この今、私の先々の人生にもすごくつながっているなっていうのを改めて思い出します。本当にスタッフと監督の皆様には本当に感謝申し上げますね。
――当時のアフレコはいかがでしたでしょうか。
日笠陽子:やっぱり野ばらは結構アドリブが多かったので、アドリブ力が鍛えられたといいますか(笑)。台本にももう「野ばら、あとはアドリブ」と書かれてあることが多くて、結構悩んだり最初はびっくりしたんですけれど、やっぱりこう野ばらの気持ちになるとすらすらと出てきていて、基本的には凜々蝶への愛を運ぶ、ジュテームが多かったので、本当に楽しませていただいておりました。
あと、日高里菜ちゃんはちょっと小柄な女の子で、渡狸をやっている江口拓也くんはすごく背の高い方で。里菜に合わせて、マイクを低めの位置にセッティングしていたら、そこに渡狸役の江口くんが入ったときに、江口くんのおへそのあたりにマイクが来ていて、しゃべってもマイクに入らない、セリフを喋ってもマイクに乗らないっていう(笑)。
日高里菜:すごいね、しゃがみながらやってくれたりとかね(笑)。でも本当にキャストみんなみんな仲良くて。それこそさっき展示会をちょっと先に見させてもらって、写真を撮ってみんなに送ったんですけど、すぐみんなから返事来て、全員からすぐ来ました。プライベートで行きたいねとか、懐かしいね、すてきだねって。やっぱり愛情っていうのが、月日は経ちましたけど、みんな持っていて、それがまた作品にも出てるんだろうなとももちろん思うので。キャストみんな、いぬぼくが大好きです。
日笠陽子:本当にキャスト仲良かったね。
――今回新たに発表されたグッズについてはオススメはありますか。
日高里菜:私はぬいぐるみなんですけれども、本当に天才なんです! キャラクター1人じゃなくて、ちゃんとペアで。凜々蝶はちゃんと御狐神が隣にいて、御狐神くんのやつにはこの膝っていうか、間に凜々蝶がいるのがまた、たまらんくってですね。足の小ささといい、ちょっとこのSDキャラっぽいといいますか。アニメや原作でもよくSDキャラのシーンあるんですが、このちょっとゆるい感じがたまらなく可愛いんです。大好きです。
――日笠さんはいかがでしょうか。
日笠陽子:メニアックトランプです(笑)。すごいですよね今図柄も見せていただいたんですけれども、メニアックと名がつくだけありまして、野ばら目線の、野ばらの趣向が凝らされている。野ばら目線の萌え的なトランプになっております。オススメはやっぱりラッキー7ですかね。
日高里菜:ちょっとこれ盛り上がりそうですよね。
日笠陽子:全部のカードを見たくなります。里菜だったらこのトランプで何のゲームをやりたいですか?
日高里菜:どうしようかな。でもババ投げとかするときに、絶対引いたカードのセリフを言うとかどうですか?
日笠陽子:あ、楽しそう! みんなでやりたい!
日高里菜:(報道陣と)みんなでやりますか!?
日笠陽子:みんなで(笑)。
日高里菜:やめてもらっていいですか? 今ちょっとみんな困ってます。誰も目が合わないですよね(笑)。でもセリフがあるので、せっかくなら声に出して遊んでもいいんじゃないかなって思います。
日高里菜:あと中で、「撮影禁止」「撮影OK」みたいなステッカーがあるんですけれども、それもすごい可愛いんですよ。それぐらい中も一個一個にこだわりがなくて、ほんとに可愛いんです! 本当にいろんなところに貼りたい。
日笠陽子:全キャラいるんですよ! 絶対欲しい。スタッフの皆さんが本当にキャラを理解してくださっていて、愛情ゆえのグッズ。ご自身方が欲しかったんだろうなっていうのを具現化したという本当に素晴らしいグッズをありがとうございます。
――ここからは報道陣の皆様からのご質問を受け付けます。
――アニメイトタイムズです。お2人がメニアックだと思った展示を教えてください。
日高里菜:悩ませますね~!
日笠陽子:野ばら的には“めくりたい”。ちょっと触っていただく展示があるんですけれども、めくったら何の秘密が隠されているんだろうというのがすごくメニアック心を心くすぐられ。本当に皆さんバッとめくるか、そっとめくるかはお任せいたします。
日高里菜:萌えポイントでいうと、ここまでかっていうこだわりメニアックなんですけど、音楽が。お手紙のゾーンがあるんですが、そこの音楽がメニアックポイントです。よく聞くと「これってもしかして?」って思っていただける、そのスタッフさんの熱い思いとかこだわりにメニアックを感じました。
――ねとらぼ編集部です。実は以前放送局で勤めていまして、いぬぼくを担当させていただいておりました。
日高里菜:えー!
日笠陽子:えー!
日高里菜:そのようなご縁が!
――このようなことがあるんだな、と思ってビックリしております(笑)。日笠さんにお伺いしたいのですが、オススメのメニアックトランプについて、その中でも最もメニアックなセリフを選んでいただくとしたら、どんなカードになりますでしょうか。
日笠陽子:えー、悩む!
(日笠さん、日高さんと熟考)
日笠陽子:これでちょっと良いセリフも混ざっちゃってるんですよ。
日高里菜:本当に感動的なシーンもあったりとか。
日笠陽子:なんか私、アフレコ当時はちょっと分からなかった“かわいい”が、時を経て渡狸なの。本当に渡狸の可愛さに気づきましたので、キング渡狸の「女子どもは下がってな! 愛玩動物上等! バーン!」です!
――ありがとうございます。今回の展示会が決定した後に、アニメの話題をポストされている方が多くて。もしかしたらみたいなお話もあったのですが、キャストさんとされては、何かアニメとか、続くもののご希望、展望などございますでしょうか。
日高里菜:それはもうやっぱり大好きな作品で、それこそ今回の展示会の中で、アニメ化されていないゾーンもたくさんあるので、そこは勝手に「こう演じたいな」とかっていう思いはもちろんあります。本当に大好きな作品なので、アニメが終わってからも原作を何度も開いては、それを声に出して読んだりとかっていうのはありますね。
――最後に、この展示会を楽しみにしているいぬぼくファン、ひいては、藤原ここあ先生の作品のファンの皆さまにメッセージをお願いします。
日高里菜:いぬぼくの作品誕生から15周年を記念してのこの展示会、本当に私自身とても楽しみにしていました。そして一足先に見させてもらって、思っていた以上の想像以上、期待以上の空間が広がっていて、本当にこの空間を作り上げてくださったスタッフの皆さん、制作の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
きっと原作を読まれた方やアニメーションを見た方も、本当に楽しんでもらえるものになっていると思います。しかも、細かいところもいろんなこだわりがあったりとか、そして見終わった後にまたアニメ見たいな、原作読みたいなって思ってもらえるものになっていると思いますので、ぜひぜひ足をお運びいただけたらうれしいなという風に思います。本日はありがとうございました。
日笠陽子:15周年を記念した展示会ということで、本当にこの長い月日を経て、またこうしていぬぼくの世界が蘇る、たくさんの方に見ていただく、そして愛を語り合ってもらう機会を作っていただきまして、スタッフの皆様、本当にありがとうございます。
私もとっても大好きな作品でしたので、そしてすごく愛を持ってアフレコに臨んできました。やっぱりちょっと里菜からお話が出ましたけれども、続きまた野ばらを演じたい、またみんなの声を聞きたい、またみんなと会いたいっていう気持ちがすごくすごくすごく膨らんでしまいますね。
私も小さな頃の野ばらを原作を読みながらちょっと演じるのを待って、いつまでも待っていたいななんて思う、そんな思いがあふれてくる展示会になってます。原作の中で「何度も生まれる、出会える」っていうセリフがあるんですけれど、「また会える。」そう信じながら、この展示会を皆さんに観ていただきたいなと思っております。お楽しみに、ということで本日はお集まりいただきありがとうございました。
色あせることのないいぬぼくの魅力。いつかまた映像で凜々蝶や野ばらたちが物語を紡いでくれる日が来るのでしょうか。彼女たちにまた会えるときを願ってやみません。
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